政治家が民間の市場や産業に干渉すると、おかしなことが起こる。医薬品の生産、政府承認、消費者のアクセスと価格に関して「医薬最高司令官」役を演じようとするドナルド・トランプ米大統領の継続的な試みについても、同じことが言える。このショーの喜劇的な部分は今週、トランプ氏が政府の新たなウェブサイトを発表したことで初めて明らかになった。サイトの名称は(例によって同氏の名を冠した)「TrumpRx」だ。医薬品を割引価格で消費者に直接販売するという計画だ。詳細は不確かだが、そのビジネス理論は恐らく保険の「中間業者」を迂回(うかい)するということだろう。民間企業が既に同じことを行っていると誰かがトランプ氏に伝えるべきだった。例えば、マーク・キューバン氏が創業したコスト・プラス・ドラッグ・カンパニーは「安全な医薬品を可能な限りの最低価格で」販売するというのが宣伝文句だ。トランプ氏がキューバン氏を気に入らないのは分かるが、この他にも競合企業はある。なぜ連邦政府が医薬品販売業者になる必要があるのか。政府がやっていることの中には、あまりうまくいっていないものが既に十分あるのではないだろうか。