アウトレットモールがあらためて注目を集めています。日本にアウトレットモールが本格的に登場したのは1993年。それから約20年で日本には40を超えるアウトレットモールが開発されました。デフレにうまく乗る形で、アウトレットモールは流通業のひとつの形として日本人に認知される存在となりました。同時に企業側も新しい販売チャネルの1つとして捉えるようになり、アウトレットだけで年間100億以上を売り上げるアパレル企業も出てきました。

このようななかで、4月19日にオープンしたのが酒々井(しすい)プレミアム・アウトレット(千葉県酒々井町)。一部では飽和化したと言われるアウトレット市場において独自の施設づくりで注目されています。これからのアウトレットモールはどうあるべきなのか。酒々井から見えてくる今後のアウトレットモールのあり方を探ります。

初年度売上高目標は
軽くクリアしそうな勢い

 酒々井プレミアム・アウトレットは日本でアウトレットモールを積極展開している三菱地所・サイモン(東京・千代田区)が運営しているアウトレットモールです。同社としては9番目、関東近県で展開するプレミアム・アウトレット業態としては御殿場(静岡県)、佐野(栃木県)、あみ(茨城県)に次ぐ4番目のモールです。

酒々井プレミアム・アウトレットから考える<br />アウトレット飽和論の真贋と生き残り策Photo by Takeyuki Iwasaki

 酒々井はオープンした当初、入居しているテナントは121店舗でしたが、今後モール自体を拡大・増床して200店舗超の大型アウトレットモールになっていく予定です。初年度売上高目標を180億に設定していますが、オープン後の集客状況を見ると、目標は軽々とクリアしそうな勢いを感じます。筆者がそう感じた最大の理由は、その施設づくりの独自性にありました。