日本ショッピングセンター(SC)協会のまとめでは、2013年のSCの新規開業は前年の35件から70件強に増えそうだ。

 開業件数が前年を上回るのは6年ぶり。07年11月に床面積1万平方メートル超の商業施設の開発を制限する改正まちづくり3法が施行され、翌年にはリーマンショック、そして11年には東日本大震災と逆風が吹き荒れ、07年に100件近かった開業件数が急減した。

 その反動もあって出店意欲がここにきてにわかに回復しているのだが、13年に増えるのは主に小型の施設。改正まちづくり3法が施行されて以降、大型施設の新設届け出が激減、ここ数年は年間30件ほどで変化はない。

 そうした中、「大型施設の開発では大手の優位性が高まっている」とSC業界関係者は指摘する。大手が有利なのは集客力のあるテナントを誘致できるノウハウと実績があるから。土地の用途変更によって大規模施設を開発しやすい自治体主導の再開発案件では、「安心して組める大手に協力を依頼するケースが増えている」という。

 例えば、昨年、「ダイバーシティ東京」など2カ所の大規模SCを開業した三井不動産は14~15年に「ららぽーと和泉(仮称)」(大阪府和泉市)など4カ所の大規模SCを新設。今年、静岡市と横浜市で「マークイズ」のブランド名で大規模SCをオープンする三菱地所は今後、大規模SCを3年に1カ所、近隣型SCを毎年1カ所のペースで出店していく計画だ。また、イオン傘下のイオンモールはSCの開業件数を今年の4件から来年は12件に増やす。

 優勝劣敗の構図が鮮明になりつつある。

 (「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 田原 寛)

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