「早稲田大学3年生です。大企業から内定をもらいました。年収も高いし上場企業だし俺って勝ち組ですよね」上場企業に就職することは果たして勝ち組といえるのでしょうか?
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、就活での企業選びについて著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

新卒 就活Photo: Adobe Stock

東証プライム上場企業からの内定

就活をしていると、「友人があの企業から内定を獲得した」という話を聞いて焦ることがありますよね。

さらにその企業が倍率の高く年収も安定している上場企業だと、羨ましい…と感じる人も多いでしょう。

就活は知名度の高い企業にエントリーが集まります。なぜなら、「とりあえず知っている企業を受けよう」という人が多いからです。とくに一部の上場企業はテレビ広告などで知名度を伸ばしているため、こうした企業の倍率は平気で数百倍を超えます。

倍率だけ見れば、上場企業からの内定獲得はたしかにすごいと言えます。

ですが、ここで間違えてはいけないのは、就活のゴールは内定することではなく“入社してからが本番”ということです。

東証プライム上場企業よりも条件が良い企業はある

僕はホワイト企業に特化した求人サイトを運営しており、これまで多くの企業を見てきました。その中で「この会社の労働条件、東証プライム上場企業よりも働きやすそうだな」と驚くことは珍しくありません。

もちろん、東証プライム上場企業には社会的信用や安定性の高さなどの大きな魅力があります。適当に企業を選ぶなら、とりあえず上場企業に入ったほうが良いという話にも賛成です。

ですが、上場企業だからといって「社員として働くうえで絶対に良い会社だとは限らない」ことも認識しておきべきでしょう。

就活には勝ち組も負け組もない

そしてこの話の延長線上で、よく「◯◯に入れたら勝ち組」という話がよく出ます。しかし僕は、それは的外れだと考えます。なぜなら、企業との相性は人によって異なるからです。

会社は合う合わないがはっきりしています。さらに、配属先や上司によっても働きやすさは大きく変わります。だからこそ、入社が決まった時点で勝ち組・負け組と決めつけるのは間違いです。

大事なのは、自分に合う企業に入社できるかどうか。そして恋愛と同じく、それが1社目で叶うかは運の要素も大きいのです。

就活に力を入れる理由は、単に内定を取るためではありません。入社後に合わなかったとしても、「人事から評価されるための立ち回り方や考え方」を身につけておけば、それを転職に活かすことができる。

だからこそ、就活に注力することは、長い人生のうえで非常に意味があると僕は考えています。

これらの話を踏まえて、単に上場企業からの内定を目指すだけでなく、より広い視野で自分に合った企業に目を向ける人たちが増えたら良いなと思います。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです