これから本格化する冬インターンと早期選考。就活に挑む大学3年生と親御さんはなにをすればいいのでしょうか?
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、10月にできる就活対策について著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

就活で生涯年収は1億円以上変わるが…
就活の世界では「頑張れば生涯年収が1億円変わる!」とよく言われます。実際に、就職先によっては1億円どころか、3億円以上の差が生まれるケースもあります。
でも、僕はこの“給料の差”だけで就活を評価するのは危険だと思っています。
なぜなら、仮に1億円多く稼げても、家族と過ごす時間や趣味の時間が半分になったらどうでしょう。「それならお金よりも時間の方が大事」と思う人も多いはずです。
要は、就活の成功の定義は人によって違う。お金を重視する人もいれば、自由な時間や働きやすさを大切にする人もいる。
僕は独立してから、お金はあってもどこか物足りなく感じている人をたくさん見てきました。だからこそ、就活を「生涯年収」で一括りにするのはナンセンスなんです。
「企業選びの軸」を設けることの重要性
生涯年収だけで就活の成功は測れません。自分が何を大切にするのか、どう生きていきたいのか。就活を成功に導く判断軸は「正直な自分」にあるんです。
実際に、僕が就活生のときは、「スタバで読書する時間がたくさん欲しい」と考えていました。よって「残業時間が短いこと」と「休日が多いこと」を企業選びの軸にしていました。
これらを日本企業の平均値から具体化して、次の2つの軸を立てたのです。
・平均残業時間が月25時間未満
・年間休日120日以上
僕の場合は、年収がどれだけ高くても毎日夜中まで残業して、休みも少なかったら、確実に嫌になります。
一方で、人によっては「毎日仕事漬けで良い! 休みもいらないから成長して、年収1000万円を20代のうちに実現したい」という人もいるでしょう。この場合は、企業選びの軸として「20代で年収1000万円が可能なこと」と設定できます。
このように就活の成功は、他者との比較ではなく、自分自身の価値観との比較で見えてきます。
拙書『脇役さんの就活攻略書』では、企業選びの軸を設定するためのワークをいくつも用意しました。マラソンもゴールが分からずに走るのは辛いですよね。
僕が就活に注力できたのは、最初のうちから軸を設定して、「就活を頑張れば残業が短くて休みが多い会社に入れるぞ! そしてスタバ行きまくれる!」という目標があったからです。
ぜひ、「生涯年収」という言葉だけに引っ張られて他人と比較するのではなく、自分自身の企業選びの軸を設けることを大切にしてくださいね。
もしこの記事を、就活生の親御さんが読んでくださっていたら、ぜひ一緒に本書『脇役さんの就活攻略書』のワークに取り組んでみてください。親子で一緒に価値観を探す作業は、きっとお子さんに思い出に残る体験になると思います。
みなさんの就活を心から祈っています。