早期選考が始まりつつある大学3年生の秋。そんな就活を頑張る学生に、この時期にかけると要注意な一言があります。
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、大学3年生のお子さんに親ができることについて著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

何気ない一言が突き刺さる季節
10月。大学3年生にとっては、いよいよ就職活動の空気が濃くなる時期です。夏のインターンを経て動き出す人もいれば、まだ情報収集の段階という人もいます。
この時期、多くの親御さんが不安になります。
「うちの子は動いていないんじゃないか」「友だちがもうESを書いていると聞いた」…。
そんな気持ちから、つい口をついて出てしまうのが、
「そろそろ就活始めなくて大丈夫?」
という一言です。
けれど、この言葉は高学歴の学生にとっても大きなプレッシャーとなり、自信を奪ってしまうことがあります。
学生の心の中で起きていること
学生は学生なりに、就活のことを常に考えています。SNSでは内定報告が流れてきて、友人同士の会話でも就活の話題が増える。頭では「動かなきゃ」と分かっているのに、どこから手をつければいいか分からない。
そこに親から「大丈夫?」と言われると、以下のような悪循環が起きてしまいます。
「親に心配される自分はダメなんだ」と思ってしまう
本当は相談したかったのに、心を閉ざしてしまう
たとえ高学歴であっても、就活では「自分は評価されるのだろうか」という不安は共通です。その繊細な心に、親御さんの心配は鋭く刺さってしまうのです。
では、親はどう声をかければいい?
言ってはいけない言葉がある一方で、支えになる言葉もあります。
「困ったら一緒に考えよう」(焦らせず、伴走の姿勢を見せる)
「私が大学生のときはこの時期に何もしてなかったから大丈夫だよ」(安心感を与える)
大切なのは、解決策を押しつけることではなく「話せる空気」をつくること。就活の正解はひとつではなく、子ども自身が考え、選んでいくものだからです。
焦りを与えるのではなく、安心して話せる雰囲気を届けることが、就活を乗り越える大きな力になります。みなさんの就活を、心から応援しています。