「嫉妬ばかりする人」と「ぐんぐん成長する人」の紙一重の差
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嫉妬という感情について
今日は、精神科医の視点から、嫉妬を減らす方法について考えてみたいと思います。
人が嫉妬する際には、特定の心理的な状況があるので、その点についてお話しします。
嫉妬が生まれる心理的背景
人が誰かに嫉妬する時、それは相手を自分と「対等」だと見なしているか、あるいは少し見下している場合に起こりやすいという特徴があります。
つまり、相手が「自分と同じ土俵にいる」と無意識に感じている時に、嫉妬の感情は芽生えるのです。例えば、自分と対等、もしくは自分より下だと思っていた相手が何かの形で成功を収めた時、「なぜあの人が?」という思いから嫉妬が生まれます。
一方で、相手のことを「自分とは住む世界が違う」と感じていたり、「到底及ばない存在だ」と認識していたりする場合、その人が成功しても嫉妬にはつながりにくいのです。
嫉妬を「憧れ」に変える方法
では、そのような場合、代わりにどのような感情が生まれるのでしょうか。それは「憧れ」です。この心理を利用すれば、嫉妬しやすい人は、その感情を「憧れ」へと転換させることが可能です。
嫉妬の感情に悩むくらいなら、自分が「こうなりたい」と心から思える人、つまり「あなたのようになりたいです」と尊敬できる人を見つけることをオススメします。そして、その人の言動や考え方を意識的に真似てみるのです。
このように視点を変えることで、心の波が穏やかになり、気持ちもずっと楽になるでしょう。
「憧れ」がもたらすポジティブな効果
嫉妬ばかりしていると、相手を自分と同じか下に見たいという気持ちが根底にあるため、相手の成功に対して素直になれず、心がモヤモヤしたりイライラしたりします。こうした状態が続くと、性格にまで悪い影響を及ぼしかねません。
それならば、自分より遥か先にいる存在、いわゆる「メンター」のような人を見つけ、その人を目指す方が建設的です。
「いつかあの人のようになりたい」という憧れを抱き、目標に向かって努力している時は、自己肯定感が高まり、日々の生活にも充実感が生まれます。嫉妬という負の感情に心をすり減らすよりも、はるかに有意義な時間の使い方と言えるでしょう。
嫉妬しやすい人こそ、憧れの対象を見つけよう
嫉妬しやすい人は、もともと他者への関心が強く、向上心がある証拠でもあります。だからこそ、「憧れ」の対象も見つけやすいはずです。
もし嫉妬の感情に苦しんでいるのなら、ぜひご自身の「負けず嫌い」といった特性をポジティブな方向へ活かしてみてください。憧れの対象を見つけ、その人に少しでも近づけるように努力することで、心は穏やかになり、自分自身を成長させる素晴らしい機会となるでしょう。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。








