英語を勉強しているが、英会話の上達を実感できない――そんな人に試してほしい1冊が『中学英語だけで面白いほど話せる!見たまま秒で言う英会話』だ。「イラストを見る→見たままを英語にする」を繰り返すことで、日本語を介さず瞬時に答える「英語の反射神経」を鍛えることができる。本稿では、著者の森秀夫さん(麗澤大学外国語学部教授)に「英語を話せるようになるための学習のポイント」を教えてもらった。

【英語力爆伸び】心理学でわかる! タイプ別・最短で伸びる英語勉強法8選Photo: Adobe Stock

ガードナーの「8つの知能」を英語学習に応用する

 心理学者ハワード・ガードナーは、人間の能力は「IQ」だけで測れるものではなく、8つの知能(Multiple Intelligences)に分けられると提案しました。

 8つの知能とは、「言語的知能」、「論理・数学的知能」、「音楽・聴覚的知能」、「身体・動作的知能」、「空間・視覚的知能」、「対人的知能」、「自己省察的知能」、「博物学的知能」です。それぞれの強みを理解し学習に活かせば、英語学習はより楽しく、効果的に進められます。

 自分の強みを確認するためチェックリストを用意しました。ぜひ新しい学習法に挑戦するためのヒントにしてください。

1. 言語的知能(言葉に強い)

・本を読むのが好き。
・自分の考えを文章にするのが得意。
・新しい単語や表現に興味がある。

【おすすめの学習法】
◎ 英語日記や短いエッセイを書く。
◎ 単語カードを作って例文を書く。
◎ SNSに英語で投稿してみる。

2. 論理・数学的知能(分析や整理が得意)

・規則やルールを見つけるのが好き。
・表や図で整理すると理解しやすい。
・文法問題を解くのが楽しい。

【おすすめの学習法】
◎ 文法や時制を表でまとめる。
◎ 例文を比較して違いを整理する。
◎ 分析した知識を会話で試す。

3. 音楽・聴覚的知能(リズムや音に敏感)

・歌やメロディーをすぐ覚えられる。
・音楽を通じて学ぶのが楽しい。
・発音やイントネーションに興味がある。

【おすすめの学習法】
◎ 洋楽を歌って発音をまねる。
◎ リズムに合わせて英文を暗唱する。
◎ シャドーイングで英語のリズムを体感する。

4. 身体・動作的知能(体を使って覚えるのが得意)

・体を動かしながら覚えると記憶に残る。
・ロールプレイや劇が好きである。
・ジェスチャーで意味を表すのが得意である。

【おすすめの学習法】
◎ 店員と客などのロールプレイで練習する。
◎ 散歩しながらフレーズを声に出す。
◎ 単語をジェスチャーと一緒に覚える。

5. 空間・視覚的知能(視覚に強い)

・絵や図を見ると理解が深まる。
・色や形を覚えるのが得意。
・マインドマップを使うのが好き。

おすすめの学習法】
◎ イラスト付き単語カードを作る。
◎ テーマごとの語彙をマインドマップから学ぶ。
◎ 漫画風に英語ストーリーを描く。

6. 対人的知能(人との交流が得意)

・友達と話すのが好き。
・グループで活動すると力を発揮できる。
・相手の気持ちを理解するのが得意。

おすすめの学習法】
◎ 英会話サークルやオンライン英会話をする。
◎ ペアワークやディスカッションをする。
◎ 友人と英語で雑談する時間を作る。

7. 自己省察的知能(自分を振り返るのが得意)

・一人で考えるのが好き。
・学習法を自分で工夫するのが得意。
・記録をつけて振り返るのが好き。

おすすめの学習法】
◎ 学習日誌をつけて進捗を管理する。
◎ 毎週の反省点をまとめる。
◎ 新しい学習法を試して効果を分析する。

8. 博物学的知能(観察や分類が得意)

・自然や動植物に興味がある。
・ものごとを分類したり整理したりするのが得意。
・細かな違いを見つけるのが得意。

おすすめの学習法】
◎ 英単語を「動物、植物、環境」などカテゴリー別に整理する。
◎ 自然や環境に関するニュースを英語で読む。
◎ 写真や映像を見ながら自然をテーマに英語で説明する。

自分の強みを活かして、楽しく英語力を伸ばす

 中学校や高校で学んだ英語の勉強法が、必ずしも自分にとって最適な方法とは限りません。学校で教わる方法は「英語の学び方」を教える専門家によるものとは限らないからです。英語の学び方には、実にさまざまなアプローチがあります。

 ここで紹介した学習法を参考にしながら、自分の得意な知能を出発点として、新しい方法にも少しずつ挑戦してみましょう。

 たとえば、「音楽的知能が高いので歌で英語を覚えていたが、次はそのフレーズを英語日記で使ってみる」といった工夫です。こうして学び方の幅を広げていくことで、英語は知識として蓄えるものから、実際に使いこなせる力へと変わっていきます。