
助言しても聞く耳を持たない自己肯定度が高すぎる人がいれば、褒めても悲観し続ける自己肯定度が低すぎる人もいる。実は、自己肯定度が高すぎる人も、低すぎる人も巻き込むことができる、共通の手法がある。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)
助言を聞かない人、褒めても悲観する人……
どう声をかければいいのか?
善かれと思って助言をしても、「言われなくてもわかっています」という反応をする、聞く耳を持たない人がいる。本人のためを思って間違いを正そうとすると、「私はできています」と非を認めないケースもある。
いずれも、「私はわかっている」「私はできている」という認識を持ちがちな、自己肯定度が高い人だ。
逆に、いくら褒めても、「これがだめです。あれもだめです」と自分を否定し続けている人がいる。取り組みや成果を認めても、「私はできていません」と悲観してしまうケースもある。
「私はだめだ」「私はできていない」という認識ばかりを持っている、自己肯定度が低い人だ。
自己肯定度が高すぎたり、低すぎたりする人に接したことがあるだろう。いずれにせよ、組織の中にかなりの割合でいるものだ。
高いか低いかに限らず、こういう人は相手の言うことを聞かない人が多く、メンバー間の円滑なコミュニケーションを阻害しかねない。
直してあげようと思って、自己肯定度が高い人に躍起になって、「こうしろ」「ああしろ」「これはできていない」とダメ出しすればするのは逆効果だ。それで上がりすぎた自己肯定度が下がることはなく、ますますかたくなに正当化し続けることがよく起きる。
反対に、自己肯定度が低い人に「これはできていますよ」と説けば説くほど、「私の心配をわかってくれていない」と抵抗感を与えてしまう。
自己肯定度の高すぎる人、低すぎる人に対して、どのように接していけばよいのだろうか。