米政府や中東諸国の仲介者らは数カ月前から、ガザでの衝突を少なくとも一時的に停止させ、イスラエル人の複数の人質を解放する合意案を取りまとめようと尽力していた。だがその努力が実を結ばなかった一方、最終的にはある戦闘行為が、紛争を完全に終結させる野心的計画の舞台を整えることとなった。イスラエル軍は9月9日、イスラム組織ハマスの複数の交渉人がいるカタールのオフィスをミサイルで攻撃。交渉人たちはドナルド・トランプ米大統領が示した最新の停戦案について協議するため、現地に集まっていた。カタールは米国にとって安全保障上の主要なパートナー国だが、その国土へのミサイル攻撃はトランプ氏にはほとんど警告がなく、カタール政府は何も知らされていない中で実施された。