「取引先を変えるぞ」40代管理職が受けた「壮絶なカスハラ」をピタリと止めた“最強の一手”写真はイメージです Photo:PIXTA

カスハラ(カスタマーハラスメント)という言葉が広く知られるようになりましたが、来客したお客様からだけが、カスハラ対象となるわけではありません。実は、企業間で発生するケースもあります。本記事では40代管理職が営業先から受けた壮絶なカスハラ事例について、見事に撃退した事例を紹介します。企業間のカスハラに関しての対処法について、カスハラ対策に詳しい細井大輔弁護士に詳しく聞きました。(執筆/ライター 岩田いく実、監修/かける法律事務所 細井大輔弁護士)

「3コール以内で電話に出ろ」
営業先からのハラスメントとは

 中堅ソフトウエア開発会社のA社で営業マネジャーを務める井上さん(仮名・45歳)。長年の取引先である大手企業B社は、井上さんが勤める会社の売り上げを支えている重要な取引先です。そのため、B社から要求される無理難題を何とかやりこなそうという社内風土がありました。

 営業マネジャーの井上さんは4年前からB社を担当していましたが、B社社員からの要求は、徐々にエスカレート。次第に強烈なストレスを抱えるようになりました。

●B社の担当者から「3コール以内に電話に出ろ。出られないなら仕事を回さない」と脅しに近い言葉がある
●定期的に「取引先を変えるぞ」と1時間以上の叱責電話が続く
●金曜の深夜に「月曜の朝までに直せ」と、休日出勤を前提とした指示をされる
●「契約外の作業だ」と主張しても、「今後の取引を考えろ」と言われる

 疲弊しきった井上さんは周囲にも現在の状況を共有し、上層部にも報告していました。しかし、重要取引先であることや井上さんが管理職である観点から、上層部は「井上さんに対応は一任」と告げました。

「こんなのおかしい」
カスハラをぴたりと止めた魔法の一手

 毎日つらそうな井上さんを見て、「このままでは井上さんはもちろん、他の社員も壊れる」と危機感を抱いた同僚が、ここで動きました。