売り・買い判断に便利な
「○・×・△ルール」とは?

今回の例では、13週線と26週線を使います。
3カ月と半年の株価の平均を表すこの2本は、多くの投資家が意識する“王道のライン”です。

移動平均線を見ても、実際のチャートは複雑で迷いやすいですよね。

そこで便利なのが「○・×・△」で整理する方法です。
・線が上向きなら○、下向きなら×、横ばいなら△
・株価が線の上なら○、下なら×、重なっていれば△
13週線と26週線、それぞれで判定すれば合計4つのマスができます。

その結果が「全部○」なら買い、「全部×」なら売り。シンプルでわかりやすいですね。

上のNTTの週足チャートを例に見てみましょう。
a点とc点では、13週線も26週線も上向きで、株価もその移動平均線の上。そのため○が4つ並び、買いの好機と判断できます。

逆に、d点では、移動平均線が2本とも下向きで、株価もその下にあります。つまり、×が4つ。典型的な売りシグナルが出ていました。

では、b点はどうでしょうか? まず移動平均線の向きは、13週線は下向きなので×、26週線は上向きなので○。
次は株価の位置ですが、株価は13週線よりも下なので×、26週線とは重なっているので△です。

実際のチャートではこのように、○・×・△が混在するケースも多く、その場合は判断に迷いがちです。
そんなときは、チャートだけで判断せず、出来高や業績、ニュースなどを併せて検討する必要があります。
13週線と26週線は
どちらを重視すべきなの?

よくある質問に「13週線と26週線、どちらを重視すべきか」があります。
答えは投資スタイル次第。短期の回転売買なら13週線、半年以上の保有なら26週線を重視すべきです。

両方の線を見比べ、期間に応じて判断を調整するのが理想ですね。

短期線だけを見て慌てて売るのは典型的な失敗です。長期線がまだ上向きなら、ただの押し目かもしれません。

逆に両方が下向きなのに「もう少し戻る」と期待して持ち続けるのも危険。○・×・△で客観的に整理することが冷静な判断につながります。

移動平均線が下向きに変わると、投資家は「上昇トレンドが終わった」と意識します。その心理が売りを加速させ、実際の株価下落を引き起こします。

つまり移動平均線は単なるテクニカル指標ではなく、投資家心理の集約でもあるわけですね。

次回は「値動きのパターン」に注目。もみ合い、三角保ち合い、ダブルトップ、トリプルトップといった形から、売りシグナルを学びます。
【※この記事の続きはこちら】
⇒線を引くだけでわかるなんて!チャートの“形”が教えてくれる売りのサインを楽しく学ぼう【チャート入門 第3回:その2】
【※動画でも見る】
【※株価チャートで売り・買いのポイントが分かるようになるセミナー動画は、税込2750円で販売中です! 詳細は下記サイトへ】
⇒https://events.diamond.jp/event/13405/?pcode=dol