「正直なだけ」が必ずしも善意とは限らない。何気ない一言が、相手の自己イメージを何十年も縛ることがある。誰かの一言に悩んでいあるあなたにおすすめなのが、日韓累計40万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)だ。本記事では、ライターの有山千春氏に、「他者との向き合い方」についてご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)

【イラっとすることを言われたら】三流は「キレる」、二流は「論破する」、では一流の人はどうする?Photo: Adobe Stock

「正直な人」のふりをした
「失礼な人」に要注意

「あなたって、鼻が惜しいよね。鼻さえそれじゃなければねー」

 中学1年生のときに仲の良い友達に言われた言葉が、30年経った今でも忘れられない。

 友達は裏表のない「正直な子ども」で、傷つけてやろうといった悪意はないように思えた。むしろ「他のパーツは大丈夫」というポジティブな意味合いで発したのかもしれない。

 それまで自分の顔に対して「鼻が惜しい」「鼻さえこれじゃなければ」なんて1ミリも思ったことがなかったのに、以降は鼻を気にするようになった。

 やってみたかった華やかなメイクを「鼻が目立つから」と避け、まれに容姿を褒めてくれる人が現れても「でも鼻がコレなんで(笑)」と自分を卑下するようになった。

 先日、同窓会で久しぶりにその友達に会った。会話の流れで、彼女が「いかに正直者だったか」という話に及び、筆者は「わたしも鼻のことを言われてちょっと傷ついたよ」と穏やかに伝えた。

「そんなことあったっけ! ごめん! わたし本当に失礼なヤツだったよね。あなたの鼻、なんとも思わないよ!」

 あっけらかんと言う友達を前に、あの一言に30年も囚われていた自分が情けなく思えた。

「あなたにはそんなふうに見えているんだ」
で受け流す

『人生は「気分」が10割』に書かれた「『他人の意見』を真に受けすぎない」というトピックを読み、筆者は真っ先に冒頭の友達の言葉を思い浮かべてしまった。

 真に受けて、これまでしなくてもいい躊躇をたくさんしてきたからだ。

 このトピックでは、「よくないことを言われれば普通に落ち込むし、自分自身を否定して苦しんだりする。でも他人の意見はあくまで他人のもの」と再認識させてくれる。

 そしてわたしの友達は、「他人事」だからこそ自分の発言さえとうに忘れていた。「他人の意見」なんて、そんなものなのだ。

 本書には「他人の意見は参考にするものであって、それ自体に決定権があるわけではない」とある。

 もし筆者と同じように他人のネガティブな意見に影響を受けている人がいるならば、「わたしの鼻、あなたにはそんなふうに見えているんだ。ふーん。そんな人もいるんだ」程度にとどめて、自分を大切にしてあげてほしい。

(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)

有山千春(ありやま・ちはる)
メーカー広報、出版社編集者を経て2012年よりフリーライターに。主に週刊誌やWEBメディアで取材記事やインタビュー記事を執筆。昨年より高田馬場の老舗バーにてお手伝い中。