「好き」という気持ちを大切にしたい
レアなレコードを見つけたら即購入!
(c)2001 いしいしんじ/新潮社 (c)2025映画「トリツカレ男」製作委員会『トリツカレ男』 11月7日(金)全国公開
いしいしんじの同名小説をミュージカルアニメーションとして映画化。何かに夢中になると他のことが一切、見えなくなるジュゼッペは街の人から「トリツカレ男」と呼ばれている。風船売りの女の子ペチカ(声・上白石萌歌)を見初めた彼はその日から俄然、夢中になる。
声の出演:佐野晶哉(Aぇ! group)、上白石萌歌、柿澤勇人、山本高広、川田紳司、水樹奈々、森川智之 原作:いしいしんじ『トリツカレ男』(新潮文庫刊) 監督:髙橋 渉 脚本:三浦直之 配給:バンダイナムコフィルムワークス
遠い国からやってきて、たった一人で日々を過ごしているペチカ。そんな彼女の前にジュゼッペという最強の味方が現れる。
「ブレーキが壊れていて乗れない自転車を押しながら、ペチカが『ブレーキなしの自転車に乗って、坂道を下る自分を想像する』とジュゼッペに打ち明けるシーンがすごく好きです。ペチカは一見、内向的ですが、心の内側に衝動を秘めている人なのだと知り、私もジュゼッペと同じように彼女に魅かれていくのが分かりました。ペチカは一度、ジュゼッペに心を開き、ジェット風船のように矢継ぎ早に話しかけるんです。そんなところもチャーミング。私も悩みなど、自分の抱えているものをなかなか人に話せず、自分の中でぐっと溜めてしまう癖があるので、ペチカに共感できました」
脚本は読んでいたものの、出来上がったアニメーションを見て、大いに心、揺さぶられたと話す。
「ジュゼッペがペチカをひたむきに思う、本当にまじりけのない、ピュアな気持ちが終始、胸を打ちます。劇場を出たら、自分の見る世界がどこか少し美しくなっているような、そんな温かい作品になっていて、参加できて光栄だと思いました。本当に曇りなく人のことを思うこと、人が人を思うことの美しさが描かれている作品だと感じます。私もあらためて、周りにいる人たちに大きな愛を持って接したい、という気持ちが芽生えました。そして恋心だけでなく、いろんなものに好奇心を持って、まっしぐらに飛び込む大切さも、この作品から学びました。昔から『好きこそものの上手なれ』という言葉が好きなのですが、これからも歌や芝居への好きという気持ちを大切にしながら、極めていけたらいいなと思っています」
そんな彼女が現在、トリツカレているものを聞いてみたら、かなり意外なものだった!
「音楽がすごく好きなのですが、特に最近は主に1970〜1980年代に活動していたザ・キュアというイギリスのロックバンドにトリツカレています(笑)。親くらいの世代のアーティストなのですが、映画の劇伴として流れていた曲が素敵で、魅かれました。MVを見るとその時代ならではの鮮烈さがあります。レコードもたくさん買いました。レコード探しでは、ショップに行ったり、ネットショップをチェックしたりして、レアなものが見つかったらすぐに買います。レコードに対しては、財布の紐がすごく緩くなってしまうんです。今はサブスクでいくらでも音楽に触れられますが、もう少し大人になった時に、自分が好きだったものを思い出せるよう、あえてモノを所有したいです。サブスクで出会った素敵な曲も、レコードで買い直したりしています」







