『ハムレット』『マクベス』『オセロー』と並ぶシェイクスピア四大悲劇のひとつ『リア王』でストレートプレイ(セリフ中心の演劇)に挑む生田絵梨花。ミュージカルでは『ロミオ&ジュリエット』のジュリエットを演じたことがあるが、セリフのみの演劇は初めて。演じるのはリア王の三女で実直であるがゆえに勘当されてしまうコーディリア。リア王役は大竹しのぶ。ミュージカル『GYPSY』で母娘を演じた大竹と、今回は父娘として対峙する。(撮影:大橋祐希 取材・文:高山亜紀)
憧れの演出家との仕事が実現!
初めてのセリフ劇に楽しみと不安が半々
「これまでミュージカルをやってきたので、セリフだけで紡がれる舞台は初めてです。ずっとやってみたいと思っていましたが、ちょっと怖さもあり、自分にとってチャレンジです。ミュージカルは感動的なメロディーや歌詞が、お客さんだけでなく自分の心も物語の中に連れて行ってくれる感覚があります。今回はその助けが全くありません。佇まいや語りによって、お客さんと心を繋げ、さらにはステージで登場人物たちと心を交わさなければなりません。楽しみと不安が今は半々です」

ヘアメイク:富永智子 スタイリスト:有本祐輔 衣装ほか:スカート/leur logette、イヤリング/KAJITA、リング/TEN.
優れた海外戯曲を日本と海外のクリエイターの共同作業で、現代的な視点で上演するDISCOVER WORLD THEATREシリーズの第15弾。上演台本・演出はイギリス人のフィリップ・ブリーンが手掛ける。
「『リア王』は名作ですが、それほど深く内容を追求してこなかったので、このタイミングで向き合えることはとても意味のあることだと思っています。大竹しのぶさんとは以前、『GYPSY』でご一緒して、その時にはまだ『リア王』の話は出ていなかったのですが、フィリップさんのお話は聞いていました。すごく信頼している、大好きな演出家さんで稽古が楽しいと話されていたので、いつか私もご一緒してみたいと思っていました。今回、フィリップさんとしのぶさんが再びタッグを組むと聞いて、参加しない選択はありませんでした」
大竹しのぶが『リア王』で初の成人男性役を演じるほか、コーディリアを出し抜く長女・ゴネリルに宮沢りえ、彼女を誘惑するグロスター伯爵の庶子エドマンドに成田凌など、豪華なキャストが集う。
「いろんな作品で皆さんのことを見てきたので、今はまだ緊張が大きいですが、何もかもが勉強になるだろうと思っています。演じていらっしゃる姿を間近で見るだけで学びになると思いますし、普段、どんなことを考えて、どういうことに興味を持っていらっしゃるのか、とても気になります。時間が許す限り、お話を伺いたいです」