英語やMBAの勉強にも役立ったワインの勉強

 調べるとWSET(Wine & Spirit Education Trust)と呼ばれるものを見つけた。

 ロンドンに本部を置く世界最大のワイン教育機関が実施している教育カリキュラムと認定資格だ。当時シンガポールのコロナ規制も収束してきて、対面での講座を再開し始めていた。

 そこで早速、Level1を受講した。これは初心者向けのコース。ワインショップの二階でシンガポール人の先生が、ワインのブドウを食べさせてくれたり、ワインをテイスティングさせてくれたりしながら、楽しく基礎を講義してくれた。丸一日英語で授業を受けたが、なかなか面白かったので続けることにした。

 シンガポールのミシュラン星付きレストランに行くと、大体店にいるソムリエがLevel3を持っていることが分かったので、とりあえずMBAに行くまでに、Level3までを取得しようと決めた。

 Level1を終え、2に進み、3を受講した。講師から新しいことを英語で教わったり、Level3の論述試験で英語でワイン産地の特徴やワインづくりのテクニックを回答したりしたのは、英語力を上げるのに役立っただけでなく、MBAの模擬練習になった。

 無事にMBA合格とほぼ同じタイミングでLevel3を取得した。その間にせっかくなら日本ソムリエ協会のワインエキスパート資格も一緒に取得してみようと考えて、こちらも受験勉強の合間にワインエキスパートの問題をひたすらウェブで解いていった。

 ワインエキスパートの問題は高校時代の世界史の勉強と同じだと思ったので、ひたすら無料サイトで一問一答を繰り返したら、一次試験に合格。

 二次の実技試験は独学では一発合格できないと思ったので、シンガポールから日本に飛んで、アカデミー・デュ・ヴァン(パリ発祥のワインスクール)の講座を詰め込んで受けることにした。

 実技試験の1カ月前と試験直前の計2回、深夜便で日本に行って土日まるまるアカデミー・デュ・ヴァンの実技試験対策の講座を受けてから(試験日だけは有給を使って受験して)深夜便でシンガポールに戻ってきた。

 MBAに行った後はこんな時間は取れないと思ったので、最初で最後のチャンスだとしてお金を使って講座で学んだ通りにやったので、試験は無事に合格した。