ヨットに乗ってランチを食べに行くクラスメイト
店に着くと、店内を案内してくれて、そのまま彼の所有するヨットで海に連れ出してくれた。船上で「よく乗るの?」と聞いたら、土日にヨットに乗ってランチを食べに行ったりすると話していた。「どういうこと?」と思ったのを覚えている。
彼は私より1年前に卒業したのだが、卒業してからも連絡を取り合っていて、私の卒業間近に飲みに誘ってくれた。
「最近何してるの?」と聞いたところ、彼の答えはカリブ海のヨットレース。ある島からスタートしてカリブ海の島々をくねくねと回って72時間以内にゴールの島に着く。一番早くついたら勝ち。1つのヨットに複数人が乗り、2組に分けて、4時間ごとに寝たり漕いだりを繰り返して72時間漕ぎっぱなしでゴールを目指す。
とても疲れたよと話していたところ、「そんな遊び方ってアメリカ人はよくするの?」と聞いてしまった。もちろん、そんなはずがない。彼の返答は「そうだね。かなりレアかもしれない」だった。
彼以外にもクラスメイトとはワインを通じて繋がることができた。クラスメイトたちから、接待の時にレストランでどんな風にワインを注文したらいいか、どういう飲み方や楽しみ方があるのかを教えてくれと、遊びに誘ってくれた。
クラスメイトの家でご飯を食べながら、ワインリストの見方や注文の仕方、乾杯やテーブルでの決まり、ワインの選び方を私が知っているレベルで伝えながら、アメリカとフランスのワインを飲み比べて楽しんだ。
バブソン大学には起業家だけでなく若き創業家も集う。いずれ社長になる人たちと自然とつながる機会をくれたのもワインだった。
現在アメリカのクラフトチョコレート企業で経営に携わっているが、ここでも起業家や経営者たちが集まる食事会に参加した際にワインは活きた。
初対面のアメリカ人たちに囲まれてネイティブスピードで進む完全アウェイの会話の中で、私がワインのことを多少知っていることが相手に知れると、急に私に話を振ってくれたり、よく顔を見て話をしてくれたりするようになった。
他にも最近新しく出会う人には自己紹介で「仕事はチョコレートで、趣味はワインです」と言うと、それだけで初対面の人とも会話が盛り上がる。
思いつきで始めたワインが、こんなにも使えるとは思いもしなかった。初対面の人とでも、どれだけ目上の人とでも、ワインがあれば、友達のように会話ができる。ビジネスツールとして使えるとは聞いてはいたが、本当にそうだと思う。
