中国政府の指導者らは、特に2008年の金融危機以降、米国はもはや中国が見習うべきモデルではないと言いたがる。しかし実際には、中国は今でも米国から学んでいる。具体的には、米国を米国自身のやり方で打ち負かす方法を学んでいるのだ。米国は長年、先端半導体における支配力を利用して、ハイテク分野で米国の力に挑戦しようとする中国指導部を抑制してきた。今、中国政府は米国の戦略と不気味なほど似た戦略を、ほぼそのまま練り上げている。中国が選んだ武器は何か。レアアース(希土類)だ。中国が支配し、ノートパソコンや電気自動車から高性能ミサイルシステムに至るあらゆるものに不可欠な重要鉱物群である。地政学的な対立をさらに深めることとなった先週の発表で、中国商務省はこれらの資源に対する統制を強化する包括的な措置を発表した。これは単なる報復ではない。中国が自らの強みを相手に対して使い、「師夷長技以制夷」(夷の長技を師として以て夷を制す)という古い中国の格言を実践していることを、米国、そして西側全体に対して伝える重要なメッセージなのだ。