
──現在の事業内容を教えてください。
原 和洋菓子や加工食品、スナック菓子、そば、豆腐など、さまざまな食品を包むフィルムパッケージを企画・製造・販売しています。お客さまは長野県内のメーカーを中心に、近年は関東・東海エリアにも広がっていて、日産500万枚相当のパッケージを製造しています。年商はこの20年間、成長し続けています。
──どんな経緯でこの事業を?
代表取締役社長・原卓実(はら・たくみ)氏。1990年氏生まれ。明治大学商学部卒業後、フィルム関連の商社を経て、2014年に三洋グラビアに入社。東京営業所で5年間営業職に従事した後、19年に本社へ。24年取締役に就任した後、25年に代表取締役社長に就任。
原 1957年に祖父が長野県伊那市で起業した当時は、三洋写真製版社という名前で印刷向けの製版を手がけていました。しかし、いずれ印刷会社が製版工程を内製化するのでこのままでは未来はないと予見し、67年にグラビア印刷部門を開設。既存顧客の印刷所と競合しない食品向けプラスチックフィルムパッケージの印刷・製造を始めました。
当時、松本や飯田エリアは半生菓子メーカーの集積地で、これらの会社が右肩上がりで成長し、フィルムパッケージの需要が増えていました。その流れに乗って弊社も着実に成長できたのです。さらに、その評判からか漬物やそばなど他の食品メーカーからの注文も頂けるようになりました。
──取引先から支持された理由とは?
原 大きな強みは一貫生産体制を整えていたことです。食品用のフィルムパッケージは大きく分けて、製版、印刷、ラミネート加工、スリット、製袋という五つの工程で製造するのですが、どれか一つを専門に手がける会社が多くを占めています。そんな中、弊社は伊那近辺に同業者がいなかったため、すべての工程を自社で手がけるしかなかったのです。
一貫生産は自社ですべての工程を管理できるので、「品質管理がしやすく、安定供給を実現しやすい」「商品開発がスピーディー」「トータルコストを抑えられる」などのメリットがあります。それが県外のお客さまからも評価され、販路が広がりました。現在も一貫生産は引き続き弊社の強みになっています。







