米国内の大学基金は、ここ数年で最も好調な運用リターンを記録した。背景には、あらゆる種類の株式投資において直近年度の利益が押し上げられたことがある。ただ、こうした利益について声高に語る大学はほとんどない。トランプ政権下では、独立性や資金調達モデルを巡って高等教育が度重なる脅威に直面しているためだ。ハーバード大学は16日、6月30日までの年度に基金が11.9%の利益を上げたと発表。マサチューセッツ工科大学(MIT)とスタンフォード大学もそれぞれ14.8%と14.3%の利益を上げた。バンダービルト大学は同期間で9.9%、バージニア大学は12.4%のリターンを記録している。投資顧問会社ケンブリッジ・アソシエーツの予備的なデータによれば、これらの基金の利益の中央値は10.9%で、世界株式70%と米優良債券30%で構成されるベンチマーク・ポートフォリオのトータルリターンと比べ、2022年以来最も力強い業績となっている。