現在の人工知能(AI)を中心とするブーム(何ならバブルと呼ぼう)は、1980年代のレバレッジド・バイアウト(LBO、対象企業の資産を担保とした借り入れによる買収)ブームや1990年代のドットコム株バブル、2000年代の住宅バブルのような先例と多くの共通点がある。極めて高い株価、リスクの高い借り手への安易な融資、一時的に流行する新たな金融商品だ。ただ、今回のブームは何かが違うように感じられる。投機熱は通常対象となる株式・債券・不動産をはるかに超えて広がっている。新たな資産クラスとなった暗号資産(仮想通貨)の時価総額は現在、約4兆ドル(約600兆円)に上っている。米ゲーミング協会によれば、昨年の米国人によるスポーツへの賭け金は1500億ドルと、2023年比で24%増加した。バブルに対するヘッジ手段である金(ゴールド)は、それ自体がバブルの様相を呈している。投機は今日の政治・経済・文化における時代精神に織り込まれた。
投機熱に沸く米国 スポーツからAIまで
FRBの利下げや金融規制緩和が投機を後押し、トランプ一族もブームから利益を得ている
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