「入試が思考力重視になっている」は
塾の営業トークかも!?

Q2
最近の入試は思考力重視になっていると聞きますが、本当ですか?
A2
「思考力重視」を最近の入試の傾向だと捉えるのは、誤りです。
確かに、丸暗記だけでは太刀打ちできないのが中学入試の問題です。統計資料やグラフの読み取り、しかも記述式の出題も多いのは事実です。
しかし、思考力を重視していたり、考えさせる問題が多かったりするのは今に始まったわけではありません。私が塾講師を始めた30年以上前にも言われていたことです。
「思考力重視になったから、○○特訓で鍛えなくてはなりません」などという塾の営業トークには、惑わされないようにしましょう。
ここ最近の大きな変化の1つとしては、「入試問題がカラーになっている学校の増加」があります。塾の模試や出版社の過去問が白黒印刷なので、本番の入試も白黒だと思っている方が多いのだろうと推察します。
学校の先生からは、「セキュリティーの関係で学内で入試問題を印刷しているが、白黒でもカラーでもコストに大きな差はない」「理科や社会の先生からカラーにすると出題がしやすい問題があるという要望があり、それに応えた」「小学校の教科書がカラーなので、子どもたちは慣れているはずだ」といったお話を伺いました。
カラーになり出題しやすくなった単元としては、理科の植物や人体、水溶液、岩石などがあります。そのほかに、社会のグラフなども出題しやすくなっています。
カラーになった学校については、小学校の教科書や資料集を読み込むと良いでしょう。また、学校説明会で「昨年度の現物の入試問題」が配布されることがありますので、ご活用ください。
※色の識別が難しい子どもでも対応できるような配慮もされていますので、ご安心を。