炎上しないために最も大切なこと

では、炎上させないためにはどうすれば良いでしょうか。それは、「マイナスなことは発信しない、言わない、やらない」ことです。

炎上の素は、すべてマイナスのことなのです。私が今のところあまり炎上しないと言われるのは、意図的というよりは勘が働いて、ネガティブなことを公に言わないようにしているからかもしれません。

もしネガティブなことを言うのであれば、有料課金のさらにその中など、ごく限られたクローズドな場所(ほとんど誰も聞いていないような場所)だけです。

もちろん、友人やパートナーとの会話など、プライベートな場では私も人間ですから、ネガティブなことや陰口を言うこともあります。しかし、オフィシャルな場所や多くの人が聞いているところでは、極力言わないようにしています。

ネガティブなことは、広がるにつれて、さらにネガティブになっていきます。これが炎上の火種です。

ネガティブをポジティブに変換する

ですから、誰でも聞けるような開かれた場所で発信する際は、ネガティブなことを極力言わなければ良いのです。かといって、「何も言えなくなる」わけではありません。

もし、ある事がネガティブで「嫌だな」と思ったとしても、その反対の「こういうことが好きです」という言い方をすれば良いわけです。そうすれば、ポジティブな表現を使いつつ、炎上させることなく自分の意見を伝えることができます。

私が心がけているこの方法が、もしかしたら「聞きやすい」「押し付けがましくない」と言っていただける理由かもしれません。

要するに、不特定多数とのコミュニケーションをどう取るか、という話です。そこでネガティブなことを言うと、タイミングが悪いと炎上してしまうのです

企業が炎上を避ける方法

企業が炎上するのも、やはりネガティブなことをしようとした時です。もし本質がネガティブなこと(例えば「値上げ」)であっても、それをそのまま外に出すと炎上しやすくなります。

値上げをする際に、「(その分)質を良くしました」「他のサービスを付加しました」といったポジティブな要素を加えれば、それはポジティブなものに変わる可能性があります。

もし炎上が嫌なのであれば、不特定多数のいる場所では、ネガティブなもの(行動、言葉)をそのまま出さないことです。これだけで、炎上のリスクはだいぶ違います。

ただ、世の中にこれだけ炎上案件があふれているということは、それがとても難しいことなのかもしれない、とも思いました。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。