どうすれば「嫉妬」から逃れることができるのか。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

どうすれば「嫉妬」から逃れることができるのか?Photo: Adobe Stock

「嫉妬心」をプラスに変える

 他人の成功を見て嫉妬する気持ちは、多くの人が経験する自然な感情です。

 しかし、嫉妬心に飲み込まれると自分を否定し、行動が止まってしまいます。

 大切なのは、嫉妬心を否定するのではなく、成長のエネルギーへと変換することです。

嫉妬の本質は「憧れ」

 嫉妬の裏側には、「自分もそうなりたい」という憧れがあります
 成功している人を羨むのは、そこに自分が求める価値があるからです。

 嫉妬を単なる負の感情と見るのではなく、自分の欲求を映し出す鏡と捉えることが重要です。

 嫉妬心をそのまま抱えていると、他人を否定したり、自分の無力感に沈んだりしがちです。
 これは建設的な行動につながらず、自己否定を深めるだけです

 嫉妬に支配されると、時間とエネルギーを浪費してしまいます。

「プラス」に変える方法

 嫉妬を感じたときは、「なぜ自分はこの人を羨ましいと感じるのか」を言語化してみましょう。
 そこに自分の欲求や目標が隠れています。
 そのうえで、自分にできる小さな行動に落とし込めば、嫉妬は成長への原動力となります。

 嫉妬心は避けるものではなく、前進のサインなのです。
 嫉妬心はネガティブな感情に思われがちですが、正しく扱えば自分の目標を明らかにし、行動を促す力になります
 感情を抑え込むのではなく、プラスに変えて利用することが大切です。

 嫉妬を成長の燃料にし、淡々と積み重ねる。これが「ゆるストイック」の実践です。
 私たちもまた、嫉妬を恐れず、プラスに変えてゆるストイックに生きましょう。

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86をスタートさせた。