
2027年1月からiDeCoの掛金限度額が大幅にアップする。これに伴い、節税効果もグッと拡大する。実際にどのくらい節税できるのか、早見表を作成したのでチェックしてみてほしい。筆者のもとに届く「iDeCoのよくあるお悩み」の解決法についても併せて解説する。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)
iDeCo掛金拡大で
節税額も大幅アップ!
前回『8.4万円トクする人も!「50代で今さら…」と嘆く人も“使わなきゃ損!”なすごい制度とは?【節税効果早見表で丸わかり!】』と題して、意外に見過ごしがちなiDeCo(個人型確定拠出年金)の魅力と制度拡大の効果について取り上げた。
税金メリットがある国の制度にはNISAもあるが、iDeCoにあってNISAにない魅力は、「毎年の収入にかかる税金の節税効果」だ。
毎月の掛金は全額所得控除の対象になるので、給与等にかかる所得税と住民税が安くなる。つまり、iDeCoとは「老後のためにお金を貯めると、節税効果の分、毎年の手取りが増える制度」なのだ。
前回のタイトルに「8.4万円トクする人も!」と入れたのは、この連載の担当編集者。節税額早見表から最も大きな金額をタイトルに埋め込んできた(そりゃそうですね)。
8.4万円節税になるのは、「月掛金2万3000万円で積み立てる、年収800万~1000万円の人」である。年収400万~700万円の人なら、4万~7万円くらい節税になる(iDeCoの仕組みと、現状の掛金での「節税額早見表」は、前回のコラムを参照していただきたい)。
今年の年金法の改正により、iDeCoは2027年1月から拡大が決まっている。具体的には、「掛金限度額の拡大」と「加入期間の拡大」だ。
企業年金のない会社で働いている人の掛金限度額は、現状では月2万3000円だが、それが6万2000円に引き上がる。大幅拡大と言っていいだろう。
加入期間(掛金を拠出する期間)は、現状では原則60歳未満(国民年金加入者と第3号被保険者)、厚生年金に加入して働いている人や国民年金の任意加入者は65歳未満だが、それが70歳まで拡大する。
50代の人の中には「今から始めても遅いかもね……」と尻込みしていた人も多いが、70歳まで加入できるなら、積立期間はたっぷりある。
まずは、掛金拡大後の節税額を見てみよう。掛金は最大月6万2000円になるのでその節税額と、そこまで積み立てられない人もいるだろうから、「月4万円」バージョンも試算した。