大学進学を考えるなら首都圏に出る意味も

びーやま:一方で、大学進学を考えている人に対しては、やはり地方よりも首都圏の大学を勧めたいです。『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』でも、そのことはかなり強調しておきました。

中原:その側面はたしかにあります。人文社会科学系の学生についていうと、首都圏にいるかどうかによって、就職企業の規模が決まるというデータがあります。もし、あなたが就職企業の規模を重視するのであれば、首都圏の大学に入ることには一定の意味があります。

びーやま:理系は事情が違いますけれど、少なくとも文系の学生は、地方国公立大に行くくらいならMARCHクラスを目指したほうがいいと個人的には感じます。少なくとも就職実績を見てみると、絶対にそのほうがいいことがわかるはずです。

 なので、やりたいことが地方で達成できるならそれでいいですが、そうでない場合は首都圏に出てくることも検討してほしいなと思います。経済的な問題をクリアする必要はありますが、考える価値は十分にある選択肢かなと。

中原淳・びーやま中原淳氏(左)・びーやま氏(右)
※1:本記事ではびーやま氏、もしくは編集部宛に届いた悩みを扱っております。
中原淳
立教大学経営学部教授。立教大学大学院経営学研究科リーダーシップ開発コース主査、立教大学経営学部リーダーシップ研究所副所長などを兼任。博士(人間科学)。1998年東京大学教育学部卒業。大阪大学大学院人間科学研究科で学び、米マサチューセッツ工科大学客員研究員、東京大学准教授などを経て現職。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発・組織開発・リーダーシップ開発について研究している。著書に『M&A後の組織・職場づくり入門』『組織開発の探究』(共著、HRアワード2019書籍部門・最優秀賞受賞)、『研修開発入門』(以上、ダイヤモンド社)、『職場学習論』『経営学習論』(以上、東京大学出版会)ほか多数。

びーやま
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。