“考えすぎ”から解放された
そんな感想が国内外から届いているのが、世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーとなっている『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。Amazon.comでも13,000超のレビューで世界が絶賛する話題書がついに日本上陸。本書によって日本人が考えている以上に「考えすぎ」が恐ろしい事態を招くことがわかった。今回はライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【悲報】「どうせ言ってもムダ」と発言ゼロの人に待ち受ける“残念な末路”Photo: Adobe Stock

なぜか旅行が苦しい理由

 友人と旅行に行くのは楽しい。
 でも、実際に行くと、なぜか疲れる。
 独身でフリーランスの私は、既婚で会社員の友人に何かと合わせがちだった。
 ホテルのランク、食事の時間、移動手段――「相手のほうが大変だから」と、自分の希望を飲み込んでいた。

「もう少し、おしゃれな宿がいいんだけどな」
「朝はゆっくり起きたいな」
「疲れたからタクシーに乗りたい」

 喉まで出かかった言葉を、毎回飲み込んだ。
 どうせ言っても、「独身フリーランスは自由でいいよね」と嫌な顔をされるだけだ。
 そうして、気づけば、ひとり旅に出ることが多くなってしまった。

世界的ベストセラーの教え

 この秋、日本で話題となっている全世界150万部突破のベストセラー『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントン(行動心理学修士)もこう述べている。

あらゆるストレス要因を変えることはできない。
でも、自分なりの意見を述べたり、対処したりはできる。

――『STOP OVERTHINKING』(P.60)より

 相手のライフスタイルは変えられない。
 でも、自分の希望を伝えることはできる。

 一人の時間がほしいなら、
「夕食は各自自由にしない? 私は部屋でのんびりしたいから」
 と提案することはできる。
 もしかしたら、相手も同じことを思っていたかもしれない。

 本書が提示するストレスマネジメントの「4A」のうち、私が見落としていたのは「変更(Alter)」という選択肢だった。

 完全に避けられないストレスでも、要望を伝える、交渉するという方法は残されている。

「発言ゼロ」を続ける人の末路と打開策

 これは旅行だけの話ではない。
 会議の進め方やプロジェクトの無駄な手順、明らかに非効率な社内ルール。
 元公務員の私は、「この会議は意味がない」と感じることが何度もあった。
 けれど、「慣習だから」と一蹴されるだろうと、口に出せなかった。

 すべてを自分の思い通りにできないのは事実だ。
 でも、「小さく伝える」という選択肢は、いつでも残されている。

 問題は、「どうせ言ってもムダ」と決めつけ、その選択肢を最初から手放していることだ。そうして、本来は避けられたはずのストレスを、自分で抱え込んでいる。
 自らの妙な決め込みによる「発言ゼロを続ける未来」は限りなく暗い。
 案の定、公務員時代の私はその悪習から逃れることができず、苦しみ続けた。

 必要なのは、全部主張することでも、全部我慢することでもない。
「ここは譲れる、でもこれは伝えたい」というバランス感覚である。

 私も次に誰かと旅行に行くときは、
「せっかくの旅行だから、ホテルも満喫したい」
 と希望を伝えてみようと思う。
 そんな大切なことを本書は教えてくれた。

(本稿は『STOP OVERTHINKING ――思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)