“考えすぎ”から解放された
そんな感想が国内外から届いているのが、世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーとなっている『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。Amazon.comでも13,000超のレビューで世界が絶賛する話題書がついに日本上陸。本書によって日本人が考えている以上に「考えすぎ」が恐ろしい事態を招くことがわかった。今回はライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

メンタルダウンしたとき、三流は「感情を否定する」、二流は「無理に切り替える」、では一流は?Photo: Adobe Stock

雨の日に不快指数マックスになる日々

 普段は家で仕事をしているフリーランスの私。
 アポを入れた日に限って雨が降ってきた。
 電車は遅延し、車内はぎゅうぎゅう詰め。
 湿気でジメジメして、不快指数がマックスに達する。
 スマホを見れば、遅延情報が次々と更新されている。

「今日、アポを入れなければよかった……」

 そう思った瞬間、「それはワガママだ。仕事なんだから!」と自分を責める声が聞こえてくる。
 いや待て、ここはポジティブに「それでも出かけている私、えらいよね!」と切り替えてみる。

 困ったことに、どちらも心は軽くならず、不快感は消えない。
 むしろ、感情に蓋をしようとすることで、余計に疲れていった。

世界的ベストセラーの教え

 この秋も日本で話題となっている、全世界150万部突破のベストセラー『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントン(行動心理学修士)もこう述べている。

ストレス要因を「受容」するとは、自分の素直な気持ちにウソをつくことではない。
嫌な気持ちになってもいいと認めることなのだ。

――『STOP OVERTHINKING』(P.61)より

 感情を否定する必要はないし、無理にポジティブに解釈し直す必要もない。
 ただ「最悪だ。めちゃくちゃ不快だ。」と認めるだけでいい。
 それだけで、心はスッと軽くなる

 本書が提示するストレスマネジメントの「4A」のうち、「受容(Accept)」とは、
 変えられない現実を潔く受け入れ、できることに集中することだ。

 この日、遅延はしていたが、幸いなことに電車は動いていて、先方と連絡もついた。
 身動きが取れないという最悪の状況ではない。
 後は、着いたときにベストを尽くせばいい。
 そんなふうに客観的に考えてみると、不快感は残ったままだが、次の一歩が見えてくる。

「三流」「二流」と「一流」を分けるものとは?

 嫌な気持ちを否定しても、無理にポジティブに切り替えようとしても、ストレスは減らない。むしろ、感情に蓋をしようとすることで、余計に疲弊する。
 必要なのは、「嫌だと思っていい」と認め、変えられることに集中すること。

 私もこれまで数々のプロフェッショナルの取材をしてきた。
 その中で学んだことは、三流の人は感情を「否定」したり、二流の人は「無理に切り替え」たりする。
 一方、一流の人は、自分の感情を「認めながら、今、変えられることに集中」する。

 電車の遅延も雨も変えられない。
 変えられるのは、自分の態度と次の一歩だけだ。
 感情を認めることは、弱さではなく、ストレスを節約する一番の近道である。

 次からは、かわいいレインブーツを買って雨の日でも気分をあげられるようにしよう。
 雨そのものは受け入れるしかないが、少しでも楽しくする工夫はできる。
 それだけで、同じ雨の日でも、景色が違って見えるはずだ。
 本書によって揺れ動きやすい「気分への対処」がわかると、大きな財産になるだろう。

(本稿は『STOP OVERTHINKING ――思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)