“考えすぎ”から解放された
そんな感想が国内外から届いているのが、世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーとなっている『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。Amazon.comでも13,000超のレビューで世界が絶賛する話題書がついに日本上陸。本書によって日本人が考えている以上に「考えすぎ」が恐ろしい事態を招くことがわかった。今回はライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【ミスの対処法】三流は「自分を責める」、二流は「問題を分析する」、では一流は?Photo: Adobe Stock

「ひとり反省会」と「自動反省モード」

 友達と久しぶりに会って、話も盛り上がった。
 でも、その夜に送ったLINEの返信がやけにそっけない。

「あれ? もしかして私、余計なことを言った?」
「ちょっと上から目線の発言あったか?」

 その瞬間から、頭の中でひとり反省会が始まる。
 でも、本当のところはわからない。
 相手は単に疲れていたのかもしれないし、ただ絵文字を打つ気分ではなかっただけかもしれない。なのに、「自分が悪い」と決めつけてしまう。

 考えすぎは友達関係に限ったものではない。
 仕事でも、恋愛でも、ちょっとした沈黙やミスをきっかけに、「自分が何かしたのかも」と自動的に反省モードに入ってしまう。

世界的ベストセラーの教え

 この秋も日本で話題となっている、全世界150万部突破のベストセラー『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントン(行動心理学修士)もこう述べている。

問題を抱えているのは間違ったことでもないし、悪いことでもない。
問題を抱えていることで、自分を批判したり責めたりする必要はない。

――『STOP OVERTHINKING』(P.86)より

 つまり、問題があること自体は悪くない。
 大切なのは、その問題とどう向き合うかということ。

 たとえば、仕事でミスをしたときはどうだろう。

 本来、大事なのは同じミスを繰り返さない仕組みをつくること。
 なのに「自分はダメだ」と責め続けると、エネルギーは自己否定に消え、肝心の再発防止策が見えなくなってしまう。

 問題を解くつもりが、いつの間にか自分を裁く作業にすり替わっている。
 これではいつまでたっても前に進めない。

「思考の無限ループ」から抜け出す
たった1つの方法

 そんなとき、思考の無限ループから抜け出す鍵になるのが「外在化」だ。
「自分が悪い」ではなく、「今、思考が暴走しているな」と言い換えてみる。

 たったこれだけで、問題は自分の外に置かれ、不思議なことに、頭の中に少しスペースができる。

 つまり「性格の問題だ」と思っていたものが、「対処すべき対象」に変わるのだ。

 そうやって問題の位置を変えるだけで、行動の自由度は大きく広がる
 そして選択肢があると気づいた瞬間、心が動ける余白が生まれるのだ。
 考えすぎる自分を責める必要はない。
 ただ、「あ、また来たな」と気づいて、距離を取ればいい。

 私もこれまで数々のプロフェッショナルの取材をしてきた。
 その中で学んだことは、仕事でミスをしたときや問題が起きたときの対処法について、三流の人はつい「自分を責め」てしまう。そして、二流の人は「問題を分析」してばかりで前に進めない。
 一方、一流の人は、問題を「外在化」させるテクニックにより、「問題の位置を変え、心に余白をつくる」。

 私も、次にLINEの返信がそっけなくても、「いま思考がループしているな」とつぶやくことにしよう。

 ひとり反省会を早めに切り上げれば、少なくとも睡眠時間は確保できる。
 そして翌朝には、昨夜の自分がやけに真剣に悩んでいたことが、案外どうでもよく思えてくるに違いない。ぜひ本書のノウハウを試してみてほしい。

(本稿は『STOP OVERTHINKING ――思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)