過去の失敗を「流す」
自分の過去の失敗をくよくよと思い出し、「また失敗するのではないか」と不安になることも、流せていない状態です。
過去に失敗があったからといって、「今も失敗するかもしれない」と考えるのではなく、過去の失敗はとりあえず過去のものとして流します。その上で、失敗の内容を見て、「過去はメモを持たずに発表で失敗した。それなら、今回はメモを持っていけばいいじゃないか」というように、対策を考えることに焦点を移すのです。
結局、図太い人というのは、過去のことは過去として流すことができています。
「流す」と「忘れる」の違い
ここで忘れてはいけないのが、「流す」ということと「忘れる」ということは少し違うということです。
流す:記憶はあるけれども、「とりあえず今は考えない」「今は今だから」という形で、過去の出来事と今の自分を切り離すことです。
一度記憶に残ってしまったことを完全に消すのは、人間の脳では難しいことです。コンピューターのようにデータ消去はできません。だからこそ、「流す」という技術が重要になります。
記憶はそのままに、「過去こういうことがありました。でも今は今です」という風に切り離しておく。そして、切り離した上で、過去の情報を参考にしながらも、「今どうするか」を決め、淡々とそれを実行していく。このやり方が良いと考えます。
「それはそうとして」という発想
特に人間関係では、過去に嫌なことをされた経験がずっと頭に残り、「仲良くしたくない」「付き合えない」と感じることがあります。
図太くなれない人は、「流す」という意識が弱い傾向にあります。完全に忘れはしないので、「とりあえず流しておきましょう」。
「こういうことがあった」という事実は「それはそうとして」置いておき、それを踏まえた上で、「こういうことも起こり得る」と認識した上で、上手にやり取りをしようと考えることで、少しずつ図太くなれるのです。
「それはそうとして、今どうするか考えましょう」。この観点で物事に取り組んでみると、だんだんと図太くなっていけると思います。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。








