「なぜかツイてない…」運がどんどん悪くなる人が無意識にやっている“思考の癖”が危険
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運の良し悪しは「考え方の癖」で決まります
今日は「運が悪くなる人の考え方の癖」というテーマでお届けします。
世の中には、なぜか運が悪くなりやすい人がいます。その方々が共通して持っている「考え方の癖」について紹介したいと思います。
私は精神科医ですので、スピリチュアルや運勢の話をするわけではありません。少し違う視点になりますが、心の状態を客観的に捉えて対処法を見つけられるよう、お話しさせていただきます。
「運がよくなる」とはどういうことか
まず、「運がよくなる」とはどういうことかを定義したいと思います。それは、「自分が正しい考えのもとに、正しい行動を繰り返しているかどうか」によるものです。
例えば、カウンセリングの代表的な手法に「認知行動療法」がありますが、人は物事を考えているうちに、だんだんと考え方が歪んでくることがあります。あるいは、もともとの性格的な要因によって考え方が歪んでいることもあります。これを「認知の歪み」と呼びます。
この「認知の歪み」に気づかないまま行動すると、最初の前提となる考え方が歪んでいるため、どんなに一生懸命努力しても、なかなかうまくいきません。この状態を、ここでは「運が悪い」と定義します。
つまり、認知行動療法のように「認知の歪み」を修正し、行動パターンを変えてあげることが、運をよくするために必要なことなのです。
運が悪くなる人の考え方①
他責思考
それでは、認知の歪みを起こしやすい考え方を2つご紹介します。まず1つ目は、「他責的」な考え方です。何か問題が起きたときに、自分以外のもののせいにする思考の癖です。
あの時、失敗したのは、「あの人のせいだ」「お金が足りなかったせいだ」というように、自分以外の環境や他人、物理的な要因が原因でどうしようもなかった、と結論づけてしまう人がいます。
これは精神分析的に見ると「防衛機制」の一種です。つらい現実をありのままに認めると心が不安定になってしまうため、人は物事を違った形で捉えようとします。他人のせいにすれば、「私は悪くない」と思えて、心の平穏を保つことができるわけです。
過去と他人は変えられない
しかし、他責的な人はそこで思考が停止してしまいます。「原因は自分以外にあるのだから、自分が変わる必要はない」と考えるため、何も行動を起こしません。
世の中は常に変化しています。物事をうまくいかせる、つまり運をよくするためには、周りの変化に応じて自分も変わっていく必要があります。その変化がうまく合致した時に、物事は好転するのです。
他責的な人は自分を変えようとしないため、状況が好転するはずがありません。カナダの精神科医エリック・バーンさんは、「過去と他人は変えられない。あなたが変えられるのは自分自身と未来だ」といいましたが、変えられないものを責め続けても何も変わらず、イライラしながら生きることになってしまいます。
運が悪くなる人の考え方②
自責思考
運が悪くなりやすい人のもう1つの考え方は、意外に思われるかもしれませんが、「自責的」な考え方です。つまり、自分を責めやすい人です。
「他人のせいにする人がうまくいかないのは分かるけれど、なぜ自分を責める人が?」と疑問に思うかもしれません。
ここで問題なのは、自分を責めるだけで終わってしまうことです。
感情的に結論づけてしまう
何か悪いことが起きた時、「自分が悪かった。私は、なんてひどい人間なんだろう」と自己嫌悪に陥り、そこで思考が停止してしまうのです。
これは、問題の所在が他人か自分かという方向性が違うだけで、他責的な人と本質は同じです。「悪いのは誰か(何か)」という犯人探しをして、感情的に結論づけてしまい、物事を分析したり改善したりするステップに進んでいません。
また、何でもかんでも「自分が悪い」と思い込んでしまうこと自体も、認知の歪みの一つです。実際には、問題の原因は違うところにあるかもしれません。しかし、すべてを自分のせいにして自分を追い詰め、そこで終わってしまうのです。これでは運がよくなるはずがありません。



