ドナルド・トランプ米大統領が1期目に世界に知らしめたのは、米国が軍事・経済両面で中国との競争激化の時代に備えていることだった。だが2期目初のアジア歴訪に出発したトランプ氏にとって、中国の習近平国家主席との間で新たな貿易協定を結ぶことが最優先課題となっており、同盟国の間には、彼らを犠牲にして取引を成立させるのではないかとの不安が広がっている。「アジアの同盟国は戦略上のとばっちりを受けている」。元米外交官で米シンクタンク「民主主義防衛財団(FDD)」の中国プログラムを率いるクレイグ・シングルトン氏はこう述べた。「いま彼らの中心的関心事は、取引が得意なトランプ氏の直感が、習氏とのグランドバーゲン(包括的な取引)につながるのか、特に台湾問題を二の次にしたり、同盟国の影響力を低下させたりする取引になるのかどうかだ」
米中首脳会談控え、安全保障を不安視するアジア
トランプ氏が習氏との貿易協議を優先すれば、安全保障が軽視される可能性も
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