クマはどこにすんでいるの?
現在の主な生息地

 クマの仲間は、世界のどの地域にすんでいるのでしょう。現存する8種類のクマのうち、もっとも広範囲に分布するのが日本にもすむ「ヒグマ」です。ユーラシア大陸西部から北極圏、東アジア、中央アジアの高地のほか、アラスカやロッキー山脈など北アメリカ大陸にも分布しています。

「アメリカクロクマ」は、北アメリカに生息するクマの仲間です。カナダからアメリカ合衆国、メキシコ北部と、北アメリカ大陸全域にまたがって暮らしています。

 そして、生息するクマの種類がもっとも多いのがアジア地域です。先に挙げたヒグマのほか、ロシアや中国、日本には名の知れた「ツキノワグマ」、インドやスリランカにはナマケモノに似た姿の「ナマケグマ」、東南アジアのジャングルには小柄で器用な「マレーグマ」がすんでいます。また、中国の山林には竹を食べて過ごす「ジャイアントパンダ」が生息し、北極の海氷上には真っ白な姿が特徴的な「ホッキョクグマ」が暮らしています。

 さて、ここまでは北半球の話でしたが、実は南半球にはクマはほとんど生息していません。例外が「アンデスグマ」。赤道直下のアンデス山脈にすむこの種が、現在確認されている最南端のクマです。

日本にいる野生のクマは2種類
うまく生活圏をすみ分けている

 クマ科の仲間のうち、日本にいる野生のクマはヒグマとツキノワグマの2種類だけです。ヒグマは北海道に、ツキノワグマは千葉県を除く本州全域と四国の一部にすんでいます。小さな島国である日本に、8種類のうち2種類の野生のクマが暮らし、その生活圏をすみ分けているのはかなり珍しいことだといえるでしょう。

 ヒグマとツキノワグマは同じクマ科でありながら、その生き方やたたずまいにははっきりとした違いがあります。体のサイズひとつとってみても、ヒグマはオスで体長2m超、体重300kg以上にもなる日本最大級の哺乳類です。一方のツキノワグマは、体長1.2~1.5mで体重は60~150kgほど。ヒグマの半分以下の体格しかありません。