国民に必要なのは円安の是正
現役世代に稼げる仕組みを

 筆者が思うに今、国民の生活を豊かにするために必要なのは、財政支出の上積みではなく、(緩やかな政策金利の引き上げによる)円安の是正ではないだろうか。輸入に頼る生活必需品の値上がりを緩和しないと、手取り賃金も増えない現状下、生活は厳しいままだ。

 産業面ではIT(人工知能)やロボットを活用して、とにかく人手不足を改善しなければいけない。さらに、労働生産性を上げる、現役世代のために同じ働き方でもより多く稼げる仕組みを作る必要がある。高齢者が相続や贈与まで寝かせている現預金を若い世代に早めに移し、お金を回していく策も欠かせない。

 ただし、いずれも効果が表れるまでには時間がかかる。長期的には、食料自給率向上など供給力の強化も必要だ。これらが物価高をコントロールする土台となる。

 財政支出の際は、誰が国債を買うかで、インフレになる可能性は変わってくる。日銀や民間銀行が購入するとお金が増えてインフレになりやすいが、国民が直接引き受けるならインフレは抑制される可能性が高い。また、国債発行や財政の活用方法についての民間の意識が高まる効果も期待できる。全てと言うわけにはいかないが、個人向け国債は増やすべきだろう。

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 短期的な物価高対策は必要だが、大規模な財政拡大+金融緩和に依存せず、日本を構造的に強くできれば、インフレが加速する負のループは防げるはずだ。

 高市政権が本当の意味で強い日本を作れるかは、政治的な強さを発揮して、長期政権を樹立できるかが焦点だ。それなりに長く政権を維持できれば、柔軟に軌道修正を繰り返して現状に合った政策を実行することが出来る。