
ヘブン流英語教育は、聞き流し法だった
ヘブンもただ、おじけづいているだけではなかった。
教壇に立ったヘブンは、はったりをかます。
教室では日本語を話さない。彼が話す英語を聞いていればやがて聞き取れるようになると生徒たちに説いたのだ。何も知らない生徒たちは、純真無垢な表情で、ヘブンに尊敬のまなざしを向けた。
いわゆる「聞き流し」法。
昔、スピードラーニングという英語を聞き流す教材があったが、ヘブンの方法論はそれである。ただただ聞いて、英語の発音や構文を脳に染み込ませる。道理に合っているとも言えるし、それだけで本当に大丈夫? とも思う。
錦織は、心配事を知事(佐野史郎)に報告する。が、「わたしだってあんたのことで似たような思いをしちょるけんね」と渋い顔をされてしまう。
錦織にはいったい何が。
生真面目な顔をして彼も何かやらかしているようだ。教師の資格を持たないまま教師をしていたと、銀二郎(寛一郎)が話していたが。それに関係しているのだろうか。
教師第1日目を無事に終えたヘブンは、いとしのイライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)に手紙を書く。そこへウメ(野内まる)が来て「奥さんですか?」と聞く。会話の途中、目をいじるウメにヘブンは気づき、彼女がまだ眼科にいってないことを知ってしまう。
「ココ、ジゴク」とまた激おこプンプン丸化する。
「すげえ怒られた」と平太(生瀬勝久)はへこむ。平太も言葉が通じないからと、ヘブンを悪く言ったり宿泊費をぼったくったりしているが、眼科に行かないくらいで、頭ごなしに叱られると、外国人、何様と思ってしまうだろう。見下されているような気持ちになってしまうかも。
コミュニケーションが通じない相手には、ネガティブな感情を伝えるのは難しい。そう思うと、楽しい感情は間違いがない気がする。冒頭のトキの笑顔のように、笑顔には間違いがない(ただし作り笑顔ではないもの)。そんな学びのある第26回である。







