1日1分勉強した時点で平均以上

びーやま『学びをやめない生き方入門』でも「日本の大人の半数以上はまったく学んでいない」というデータが紹介されていましたね。

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中原:そう。だから「1日1分勉強した時点で平均以上」なんですよ。「10分しか読書が続かない。すぐに眠くなる」みたいに悩んでいる人もいますが、1日10分も本を読んでいるなら、その人は平均を大きく上回っているんです。

びーやま:それなら、「学ばないで済む理由」を探すより、まずは1日1分でもやってみるほうがいいですよね。その時点で大多数の人よりも学んでいることになるんですから。

中原:ですから、「私は10分しか学べない…」と自分を責めるのではなく、「10分も学べた!」とまずは自分をいたわりましょう。もし10分学べたのなら、明日は11分にすればいい。ちっちゃなことでもいいので、自分を褒めるところからはじめてほしいと思います。

中原淳氏(左)・びーやま氏(右)中原淳氏(左)・びーやま氏(右)
※1:本記事ではびーやま氏、もしくは編集部宛に届いた悩みを扱っております。
※2:参考:厚生労働省『労働経済の分析(平成30年版)』138ページ
中原淳
立教大学経営学部教授。立教大学大学院経営学研究科リーダーシップ開発コース主査、立教大学経営学部リーダーシップ研究所副所長などを兼任。博士(人間科学)。1998年東京大学教育学部卒業。大阪大学大学院人間科学研究科で学び、米マサチューセッツ工科大学客員研究員、東京大学准教授などを経て現職。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発・組織開発・リーダーシップ開発について研究している。著書に『M&A後の組織・職場づくり入門』『組織開発の探究』(共著、HRアワード2019書籍部門・最優秀賞受賞)、『研修開発入門』(以上、ダイヤモンド社)、『職場学習論』『経営学習論』(以上、東京大学出版会)ほか多数。

びーやま
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。