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いま、中学受験の世界で増えているのが「二世受験」だ。ただし、親世代が歩んだ道筋は、もはや通用しない。かつての常識を信じて挑めば、思わぬ落とし穴にはまりかねない。変わりゆく受験で、今何が必要なのか解説する連載第28回。(進学塾VAMOS代表 富永雄輔、構成/ライター 奥田由意)
なぜ親は再び子を受験に送り出すのか
最近の中学受験で特に目立つのが、「二世受験」の増加です。保護者自身が中学受験を経験し、自分の子どもにも中学受験をさせるケースが増えているのです。
なぜ二世受験が増えているのでしょうか。単純な理由として、保護者が実際に中学受験を経験して「やってよかった」と感じているからです。
もし中学受験をして後悔したり、嫌な思い出だったりしたら、わざわざ子どもに同じことをさせたいとは思わないでしょう。保護者が中学受験に対して一定の自己肯定感や人生への満足度を持っているからこそ、子どもにもその恩恵を与えたいと考えて子どもを受験させようとするのです。
また、自身は中学受験をしなかったものの、同僚や友人が中学受験組で、その人たちの話を聞いていて「楽しそうだ」「充実した学校生活を送れたようだ」と感じて、子どもにぜひ中学受験を経験させたいと思う保護者も多くなっています。つまり、間接的であっても中学受験の良さを実感している人たちが増えているということです。
保護者世代が感じた「それぞれに特徴ある質の高い教育環境」「6年間だからこそ培える密接な友人関係」といった価値を、自分の子どもにも与えたいと願う気持ちが大きいのでしょう。
二世受験が増えている理由として、保護者世代の働き方や価値観が急激に変化していることも背景にあります。







