すぐ論破してくる人が「もしものために備えて、たくさん貯金すべきですよね?」と言ってきたら、言い返したい。
そんなあなたに薦めたいのが、全世界45言語に翻訳され、世界500万部を突破しているベストセラー『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』(ジョン・ストレルキー 著/鹿田昌美 訳)だ。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、おすすめの名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
※イメージモデル:ひろゆき氏 (撮影/榊智朗)
「今を我慢して、いつかのために」
それ、本当に賢い?
「もしものために備えておくことは大事ですよ」
こう言われると、誰もがうなずきます。
確かに、貯金や保険は大切です。
でも気づけば、「もしも」のために「今」を削っている。
旅行を我慢し、趣味をやめ、好きなことを後回しにして、「安心のための貯金」が、「生きる目的」そのものになっていませんか?
未来の不安を埋めるために、今の幸せを犠牲にする。
それは一見まじめで堅実なようでいて、実は「生きている時間の先送り」なのです。
「なぜ、今を生きないのか」
『世界の果てのカフェ』という本では、この矛盾を鋭く描いています。
――『世界の果てのカフェ』(第15章)より
多くの人が、「やりたいことは退職してから」「落ち着いたら」「子どもが大きくなったら」と言い訳をしながら、本当にやりたいことを後回しにしています。
でも、「いつか」は、いつまでたっても来ません。
なぜなら、「今」を生きる習慣がない人に、「いつかを生きる力」は身につかないからです。
未来を思って蓄えるのはいい。
けれど、「不安」だけを動機にして生きると、どれだけ貯めても心は満たされないのです。
「備える」よりも、「やりたいことをやる」
作中のケイシーはこう語ります。
あなたはたずねたわよね。なぜ人は、今を大切に生きずに、『いつか』の人生に備えて多くの時間を費やすのか、と。
その答えのひとつが、用心していないと、毎日目にする大量の広告メッセージに惑わされてしまう、ということなの。
『幸せと充実感の答えは商品やサービスにある』と信じてしまうはめになるのよ。
――『世界の果てのカフェ』(第15章)より
つまり、貯金の本当の敵は「浪費」ではなく、「洗脳」です。
「これを持たなきゃ不幸になる」
「老後に備えなきゃ怖い」
そうした不安を煽るメッセージに支配されると、人生そのものが守りだけになります。
けれど、やりたいことにお金と時間を使う人ほど、心は豊かで、結局「備わって」いくのです。
「もしも」に怯えるより、「今」を使い切れ
「もしものために貯金すべきですよね?」と言われたら、こう返しましょう。
「もちろん。でも、『今を生きるための貯金』も同じくらい大事ですよ」と。
備えることより、生きることのほうが、ずっと価値があるということ。
「いつかの安心」より、「いまの充実」。
あなたの人生を満たすのは、通帳の数字ではなく、「今日やりたいこと」にほかなりません。
(本稿は、『世界の果てのカフェ』の発売を記念したオリジナル記事です)




