40歳で貯金が1億円の人が「老後が楽しみだよ」と自慢してきたら、言い返したい。
そんなあなたに薦めたいのが、全世界45言語に翻訳され、世界500万部を突破しているベストセラー『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』(ジョン・ストレルキー 著/鹿田昌美 訳)だ。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、おすすめの名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

40歳で貯金が1億円の人が「老後が楽しみだよ」と自慢してきたら、言い返したいことベスト1とは?Photo: Adobe Stock

「老後が楽しみ」と言う人

「老後が楽しみだよ」と笑う40歳。

 その横顔には、どこか張りつめた満足感が見える。
 もちろん、努力してお金を貯めたことは立派だし、誰にも否定できない成果です。

 でも、ふと疑問が浮かびませんか?
 なぜ、「老後」を楽しみにしているのだろう、と。

 もし「いま」を楽しめていないなら、1億円あってもそれは不安の延長線上にすぎません
 将来への安心を追い求めすぎて、「生きる実感」を後回しにしてしまう人ほど、老後に「何を楽しめばいいのか」がわからなくなってしまうのです。

「いま生きる」という選択

世界の果てのカフェ』という本には、そんな「未来を待つ」という生き方を変える一節があります。

私は気がついた。
私にとって、毎日が質問の答えを満たすためのチャンスなんだよ。
やりたいことをするチャンスは毎日ある。
『引退』まで待つ必要なんてないのさ。

――『世界の果てのカフェ』(第14章)より

 この言葉は、「やりたいことはいつかやるものではない」という真実を突いています。

 多くの人が、定年後や老後に自由を手に入れる計画を立てるけれど、自由とは、計画して手に入れるものではなく、選び方の結果としてすでにそこにあるもの

 毎日を「やりたいことで埋める」ことこそが、人生の本当の投資です

「なんとなく」の延長線上には、幸せはない

 同書の登場人物・ジョンもこう語ります。

「きみは、自分のやりたいことに多くの時間を費やしているかな?

「正直、よくわからない。大学に行ったときも、何を勉強したいのかがよくわかっていなかった。結局、まあまあ好きな分野で、卒業後の就職が良いと多くの人に言われたことを学ぶという決断をした。学校を卒業したら、働きはじめた。すると、お金を稼ぐことに重きを置くようになった。やがてある程度の給料をもらえるようになり、なんとなく生活のパターンが定まってきたんだ

――『世界の果てのカフェ』(第14章)より

 この「なんとなく」こそが、人生を鈍らせる最大の敵です。

 好きでも嫌いでもない仕事。
 やりたいことを語れない日常。

 それでも「安定している」と言い聞かせるうちに、心は少しずつ静かに枯れていくのです

 そして、物語の中でケイシーはこう問いかけます。

さっき話していたことだよ。
なぜぼくたちは、やりたいことを今すぐやるのではなく、やりたいことができるときに備えて、こんなに多くの時間を費やすのかな?

――『世界の果てのカフェ』(第14章)より

 未来のために、今を犠牲にしてはいけない
 それは、幸福の貯金ではなく、幸福の先送りです。

「老後が楽しみ」より、「今日が楽しい」

「老後が楽しみだよ」と言う人に、こう伝えたい。

老後を待たなくても、今から楽しめますよ」と。

「いつかの幸せ」ではなく、「いまの充実」が人生の本当の目的だということ。
 やりたいことを先送りせず、今日という一日をチャンスに変える
 それこそが、最高の投資であり、唯一の後悔しない貯金なのです。

(本稿は、『世界の果てのカフェ』の発売を記念したオリジナル記事です)