「当社の努力が足りていない…」社長も反省、JR貨物が運賃9%・3度目の値上げに踏み切った理由JR貨物の犬飼新社長(右)と麦谷泰秀執行役員営業部長

JR貨物(本社・東京都港区、犬飼新社長)は10月17日、2026年4月から鉄道の基本運賃を9%(コンテナ、車扱とも)引き上げると発表した。22日に行われた会見で犬飼社長は「物価上昇基調が続き、原料費や燃料費、人件費など当社だけでは賄いきれないコスト増が続いている。お客様にとってコストインパクトになることは確かだが、貨物鉄道ネットワークを維持することは、『2024年問題』やトラックドライバー不足が進むなかで、お客様のメリットにもつながっていく」と述べ、運賃改定に理解を求めた。(カーゴニュース編集部)

*本記事はカーゴニュースからの転載です

JR貨物発足以来、3度目の値上げに

 今回の運賃改定は、2024年4月に実施した改定(改定率6%、コンテナ、車扱とも)に続き2年ぶりとなり、JR貨物発足以降では、18年10月に実施した最初の改定(改定率10%、コンテナ、車扱とも)を含め3回目。

 JR貨物発足当時の運賃を「100」とした場合、都合3回の改定により基本運賃は「127」まで高まったことになる。また改定までに要した期間は、1回目から2回目までが5年半、今回が2年と短くなっている。

 犬飼社長は、9%という改定率について「自社でコントロールが難しいコストアップ分に加え、貨物鉄道を維持するための投資や人材確保も必要になる。そうした費用を計算した結果、9%という改定率になった。お客様への説明はこれからだが、貨物鉄道を維持することのメリットを丁寧に説明していきたい」と強調した。