スバルが最高「物流」責任者を新設したワケ【執行役員CLOインタビュー】SUBARU「フォレスター」

SUBARU(本社・東京都渋谷区、大崎篤社長)は2025年4月1日付の組織改正で、CLO(Chief Logistics Officer=最高物流責任者)を新設した。サプライチェーンを取り巻く環境変化に迅速かつ柔軟に対応し、「モノづくり革新」の実現を加速させる狙い。併せて、物流諸課題に「全体最適」で対応する体制を構築するため、従来、「モノづくり本部」と各営業部門がそれぞれ有していた物流関連機能を統合し、「物流本部」を新設した。村田眞一執行役員CLO物流本部長にSUBARUが目指す物流のあり方、取り組みの方向性を聞いた。(カーゴニュース編集部 石井麻里)

*本記事はカーゴニュースからの転載です

国内に新工場を建設中
物流の確立が不可欠に

――4月の組織改正で物流諸課題への対応姿勢を打ち出しました。まず、物流に関する課題認識からお聞かせください。

村田 国内の人手不足に起因する「物流危機」、トラックドライバーの労働時間規制が強化される「2024年問題」、荷主への規制的措置を含む物流総合効率化法への対応――など物流課題は多岐にわたっています。当社は国内に新工場の建設を公表しており、これからも国内の自動車製造工場を基盤としたモノづくりを続けていくには、それを支える物流、供給網の確立が不可欠であると認識しています。

 自動車メーカーの物流には「生産部品物流」と「完成車物流」があります。自動車業界の慣習として、生産に必要な部品を工場に届ける「生産部品物流」はお取引様側の責任範疇とされており、ある意味、自動車メーカーとして十分に把握できていませんでした。