売上高1兆円も見えてきた!岐阜発のスーパー「バロー」が“自前主義”を貫くワケバローグループの売上高1兆円が見えてきた 写真:カーゴニュース

岐阜県多治見市に本社を置き、東海・北陸など中部圏から関西へとスーパーマーケットを中心とした小売チェーンを展開するバローグループ。そのトップを務めるバローホールディングスの小池孝幸社長は、物流部長を経験し、現在もグループの物流事業を担う中部興産の社長を兼任するなどユニークな経歴で知られる。製造や卸売、物流などの関連業務をグループで内製化するビジネスモデルの強みや、今後の事業拡大を支える物流戦略、中部興産の成長ビジョンなどについて話を聞いた。(カーゴニュース代表 西村旦)

*本記事はカーゴニュースからの転載です

バロー社長「1兆円の絵も見えてきた」
スーパー、ドラスト、ホームセンター…成功の秘訣は?

――まずはバローグループの事業概要をご紹介ください。

小池 東海・北陸の中部地方を中心に、スーパーマーケットを主軸としてドラッグストア、ホームセンターなど小売チェーンを展開しています。現在、全国に1471店舗を展開しており、2025年3月期のグループ売上高は8544億円に達しています。1兆円の絵もだいたい見えてきました。

 バローグループの特徴をひと言で表現すると、「自前主義」と言えます。川上から川下に至るプロセスを内製化することで、利益の残り方を自分たちでコントロールしていく戦略です。

 また、製造小売業を標榜し、店舗で販売する商品の製造・加工から流通、販売までを一貫してグループ内で完結できるビジネスモデルを志向しています。「利は元にあり」ではありませんが、最終出口である「店」を強くするためには、その裏側にある仕組みをきちんと構築することが大事になります。

 そのために物流も自前で手がけてきましたし、例えば店舗清掃やメンテナンスを行う会社もグループ内に持っています。その結果、他の小売チェーンと比較して、グループ子会社の数も多く、小売部門以外の売上や利益の割合が高いことが特徴のひとつです。

――「何でも自分たちでやる」という自前主義的な企業文化が生まれた理由や背景には何があったのでしょうか。