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「仲間に助けてもらえる人が、チームメンバーに押しつけない“あるもの”があります」
そう語るのは、組織開発の専門家である沢渡あまねさんと、デザイン経営の研究者・実務家である下總良則さん。400以上の組織やチームを見てきた専門家のお二人は、チームで行う仕事をうまく進められる人たちの共通点を言語化しました。そのなかから、仲間と協力して結果を出すコツを紹介します。※この記事は書籍『チームプレーの天才』（沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊）の一部を抜粋・編集したものです。（構成／ダイヤモンド社・石井一穂）
「ふわっとしたビジョン」を押しつけない
ビジョンは悪気なく「ふわっ」としがちです。
それもそのはず。
ビジョンとは未来のありたい姿や理想像であり、目に見えにくい抽象的なものだから。
「ふわっ」とするのはビジョンの宿命であるとも言えます。
大きな組織になればなるほど「そのビジョンの文章は、ウチの部署にはあてはまらない」など、ローカルな事情や事象との相性の議論にもなってしまいます。
とはいえ、具体性が高すぎると単なる作業指示のようになってしまい、メンバー・関係者の思考や創意工夫の余白や余地を奪い、未来への目線を失わせます。
与えられた言葉を「自分たちの言葉」に再編集する
抽象度の高いビジョンは一度、「自分たちの言葉」で表現しなおしましょう。
私はこれを「ビジョンの再編集」と呼んでいます。
その際には、「ビジョンとメンバーの接合部分」が役立ちます。
メンバーそれぞれの「Will」が実現し、「Can」が発揮されるビジョン（未来）を、対話を重ねて描いていってみてください。
「共創」できるチームがやっていること
そもそも、何かしら（どこかしら）自分たちの手作りの部分がないと、メンバーに主体性も「自分ごと化」も生まれにくいものです。
自分たちで「創るビジョン」はもちろん、誰かから「与えられるビジョン」であっても、その内容を見直し、再定義し、自分たちの言葉であらためて表現してみてください。
・ビジョンそのものを、グループワークなどを通じて自分たちで言葉にする
・「小チームのビジョン」「業務のビジョン」など、小さな単位で小さくビジョンを描いてみる
いずれかに取り組んでみてはいかがでしょうか。
（本稿は、書籍『チームプレーの天才』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。書籍では、他者とうまく仕事を進めるための具体的な93の技術を紹介しています）
★★★「他者」と働く、すべての人へ★★★
400以上のチームを見てわかった、
仕事仲間に信頼される人
がやっていることの“すべて”
本当に優秀な人は「自分ひとり」で頑張らない
リーダーシップや圧倒的なスキルがなくても、仕事の仲間に自然と助けられ、チームやプロジェクトの結果を出す人がいます。
一方で、仕事はできるのに、仲間からは信頼されない人もいます。
意欲や能力を発揮してもらえない。やる気が空回りして関係性が悪くなる…そして最後は「自分がなんとかするしかない」と、ひとりで抱え込んでしまう──そんな悩みを抱える人も多いものです。
では、両者の違いはどこにあるのでしょう。
書籍『チームプレーの天才』では、400以上のチームや組織を見てきた専門家が、“チームで仕事をこなすのがうまい人”が実際にやっていることを紹介します。
無理に仲良くなる必要はありません。
強がったり偉そうにしたりする必要もありません。
お互いを尊重しながら対等に手を組むためのコツが、実践できる形で紹介されています。
読者からは、こんな感想が届いています。
「つい自分ひとりで仕事を終わらせようとしてしまうせいで、自分のタスクだけ多くなり、辛くなり、悩んでいました。そんな私には刺さる内容」
「スキルの説明と同時進行で、架空の会社を舞台にしたストーリーが展開されていく構成になっているので、理論だけでなく実感として理解しやすい」
AIによって「仕事の質」が均質化するこれからの時代、人間に求められるのは「良い関係を構築する力」です。
チームで成果を出したい人はもちろん、仕事仲間との関係づくりに悩んでいる人にも役立てていただける一冊です。
著者プロフィール
下總良則（しもうさ・よしのり）：デザイン経営を専門とする東北工業大学准教授。usadesign代表。広告代理店やスタートアップでデザイナーとして活躍し、国際デザイン賞「Graphis Design Award」金賞など受賞多数。デザインと経営学を架橋し、企業のブランド戦略や価値創造を支援している。
『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』、沢渡あまね・下總良則（著）、ダイヤモンド社、2025年10月28日発行（→Amazonで見る）
