他部署と連携したり、他社と協力したりと、仕事において「チームで仕事をする」ことは多いもの。一方で、価値観や背景の違う相手とのすれ違いや衝突にモヤモヤすることも……。そんなあなたにおすすめなのが、400以上の組織やチームを見てきた組織開発の専門家が「誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること」をまとめた書籍『チームプレーの天才』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社)です。この記事では同書から内容の一部を抜粋し、これまで言語化されてこなかった「他者と協力して結果を出すコツ」を紹介します。
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「共創」活動に欠かせないこと
プロジェクトの進行を阻む人を説得したい。
成功のために必要となる協力者を得たい。
きっかけや対象は様々ですが、往々にして、「私たちだけでは無理だ」と感じるタイミングを迎えるでしょう。
人を巻き込む。
それは共創活動の要でもあります。
必要に応じて「外」や「他者」を巻き込んでいくことが、共創の醍醐味であり必須要件であるとも言えます。
「人を巻き込む」のがヘタな人の口癖
相手を巻き込もうとするとき、私たちはその思いの強さのあまり「説得モード」に入ってしまいがちです。
しかしながら相手にも事情がある。
巻き込む側(仕掛ける側)の思い、ましてや正論だけではうまくいかないでしょう。
「仕事なのだから(やりなさい)」
「上からの指示だから(やりなさい)」
「社長に“やれ”と言われたから(やりなさい)」
「儲かるから(やろうよ)」
このような義務感や合理性を一方的に押し付けても、相手は心地よく動いてくれません。
相手にしぶしぶ承諾してもらったとしても、その後、自分たちが弱い立場に置かれてしまい「お願いモード」「下請けポジション」でものごとを進めざるを得なくなることも。
対等な関係での共創とは程遠く、その関係性が固定化してしまうと、自チームメンバーのモチベーションやコンディションにも悪影響を及ぼしかねません。
「共創」するのがうまい人がやっていること
共創するのがうまい人は、説得戦略と納得戦略を絶妙に切り替えてコミュニケーションをとります。
説得戦略とは文字どおり、相手を説き伏せて自分たちの言い分を呑んでもらうアプローチ。
ときには必要ですが、先述したようなリスクがあることも事実です。
一方で納得戦略とは、相手が納得するまで待つ戦略。
ひとまず情報だけ提供して、相手が「腹落ち」したり、欲したりしたタイミングで次のアクションを起こします。
人は説得されると拒絶し、相手に対して優位に立とうとする生き物です。
逆に、納得すると主体的かつ協力的に。
この特性を理解し、無理に説得しようとしない納得戦略も選択できるようにしてください。
相手が喜んで巻き込まれたくなる状況をいかに創るか。この初手が肝です。
(本稿は、書籍『チームプレーの天才』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。書籍では、他者とうまく仕事を進めるための具体的な93の技術を紹介しています)





