頼もしかった経理部長。
実は、1000万円を横領していた!

 続いてのリスク、「横領」についてお話させていただきます。「うちには、関係ないよ」と思われるかもしれませんが、次のお話をお読み下さいませ。

「私にお任せください。社長は経営に専念していただければ大丈夫です」と、頼もしい限りだった経理部長A。退職もせまった62歳。
 ある日、税務調査が入り、さまざまな資料を見せていると、調査官からこんな質問が飛んできた。
「決算書に載っていない口座があります」
「現金の残高の流れがおかしいので、調べて下さい」

 詳しく調べてみると、確かに社長が知らない口座があり、不正な現金の流れを見つけた。実は経理部長が勝手に口座をつくり、そこへ5社分の入金をしてもらっていたのだ。印鑑を預けっぱなしだったのも失敗だった。さらに、現金入金をそのままポケットにいれていたことも発覚した。
 調べた結果、経理部長は約1000万円を横領していたことがわかった。だが、そのお金はすでになく、訴えても戻ってこない。

 いかがでしょうか。経理を任せっきりにしていたツケが、こんな形でまわってきてしまいました。