「コツコツ利益を積み上げる」「節税をする」。経営者であれば、必ずやられていることだと思います。さて本日は、こうしてしっかり貯めたお金が、一瞬でなくなってしまう「2つのリスク」について、お話をさせていただきます。

突然やってくる「残業代請求」。
どうすればいい?

 本日は、経営者を突然襲う2つのリスク、「残業代請求」「横領」についてお話ししたいと思います。まずは「残業代請求」の実態についてからです。

 A社は順調に利益も伸び、資金的にも余裕があった。ところがある日、社員(35歳、男性)から退職届を突きつけられた。突然のことにびっくりした社長だったが、さらに驚いたのは請求書。勤務時間を細かく記録した資料とともに、残業代が計算されていた。その額、なんと500万円。
 さらに残業代は、2年間にさかのぼって請求することができるので、これで1000万円が消えてなくなってしまった。コツコツ利益を積み上げていったA社にとって、あまりに痛い出費だった。

 この話を聞いて、「うちは大丈夫だから」と思っていないでしょうか。もしそうなら、一度、グーグルやヤフーといった検索エンジンで「残業代」「請求」といったキーワードを入れてみて下さい。「残業代がとり戻せます!」といった煽り文句を掲げた団体がたくさん出てきます。こうした「残業代請求」を煽っているのは主に弁護士で、その理由は、高額の成功報酬があるからです。

 この問題に対し、経営者はどうすればいいのでしょうか。一番確実なのは、プロに相談して、就業規則、賃金規程をしっかり整えることです。この場合、プロとは社労士のことですが、すでにおつき合いのある税理士等に相談して紹介してもらうのがベストでしょう。

 繰り返しますが、「うちは大丈夫だから」というのが一番危険です。従業員もネットで情報を得ていることをお忘れなく。