年収格差を示すイメージ画像写真はイメージです Photo:PIXTA

転職後、年収や役職がスムーズに上がる人と、なぜか停滞してしまう人がいます。その決定的な差は、スキルではなく「人付き合い」のスタイルに隠されていました。居心地のいい少数の仲間と深く付き合うべきか、それとも多くの知人と広く浅く付き合うべきか?キャリアアップの成否を分ける、人脈の“質”の驚くべき真実を解き明かします。年収や役職が上がりやすい人脈の作り方についても解説します。(人材研究所ディレクター 安藤 健、構成/ライター 奥田由意)

「誰と付き合うか」で
年収が変わる?

 気の置けないメンバーと会い、食事やお酒、よもやま話に興じる時間は、心地よさがあり、互いをよく知る仲間と過ごす時間は心を健康に保つためにかけがえのないものです。

 私たちの多くは、こうした強い絆で結ばれた小さなグループの中で居場所を見つけており、それは、世知辛い世の中で心のセーフティネットとして機能しています。これは、「狭くて深い」関係と言えます。

 一方で、「広くて浅い」つながりもあります。社会人になると、交友関係が一気に広がり、年に1回から数回しか会わない人とのつながりが増えてきます。

 弱いつながりは、共有する言葉や体験が少ないので心地よさやセーフティネットとしての役割はありません。しかし、1年ぶりに会う知人から受ける近況報告などから、驚きや刺激を受けることは珍しくありません。

 人事コンサルティングの現場で多くの人のキャリア形成や転職の実態を見てきた経験から言えることは、転職で「年収や役職が上がりやすい人」と「上がりにくい人」の間には、交友関係に差があるということです。

 具体的には、「狭くて深い」交友関係と「広くて浅い」交友関係のどちらを重視するかという点に違いがあります。

 年収や役職が上がりやすくなる「交友関係の築き方」について解説します。