「やりたいこと」が見えれば
人生の質が大きく変わる

 たとえば、「18時に帰って家族と過ごしたい」という思いがあれば、「この会議には出なくてもいい」という判断ができるようになります。目的があるからこそ、人は変化に立ち向かうことができます。目的がなければ、「まあ仕方ない」と、結局同じことを繰り返してしまうのです。

 実際にこのリストを活用することで、私は3つの効果を強く感じました。

(1)優先順位が明確になった:やりたいことに集中できるようになり、戦略立案や社員教育といった重要なタスクにじっくり時間をかけられるようになりました。その結果、新規事業の成果が思っていた以上のスピードで出せたのです。

(2)ムダな時間が確実に減った:クライアントからの細かな要望については、事前に「対応のタイミングをまとめて調整する」仕組みをつくったことで、より丁寧で質の高い対応が可能になりました。その結果、業務効率も大幅にアップしました。

(3)精神的な余裕が生まれた:やりたいことに時間を使えるようになると、自然と満足感ややりがいが戻ってきます。以前よりも読書の時間が増え、週末には家族とゆっくり過ごすことができるようになりました。

 そして生まれた“余白”の時間は、どう使ってもいいのです。映画を観てもいいし、美味しいコーヒーをゆっくり飲んでもいい。大切なのは、「自分で選んだ時間」であるということです。

『いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才』という本の中で、著者の今井孝氏は「幸せな人は毎日2時間、自分が幸せだと思うことをしている」と述べています。2時間どころかほんの30分でも、自分が「満たされている」と思える時間を持つことが、人生の質を大きく変えてくれると私は思います。

 選べない人生から、選べる人生へ。自分で「やること」と「やらないこと」を選べるようになったとき、私たちはようやく、“時間の主人”になれるのです。