「挫折経験はありますか?」この質問に、一瞬で内定をとる人はなんと答えるのでしょうか。
『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別な経歴や夢がなかった“普通の就活生”である著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分に合った就活メソッドを築き上げ、食品大手を含む22社から内定を獲得した実体験をもとにした、どんな学生でも内定に近づく一冊です。「自己PRで話せることがない」「インターンに参加していない」といった就活に不安を抱く学生と、そっと背中を押したい保護者に読んでほしい就活戦略が満載です。今回は、「挫折経験はありますか?」の答え方について著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

新卒 就活Photo: Adobe Stock

9割の人は大きな挫折経験を持っていない

就活や転職でよく聞かれる質問に、「挫折経験」があります。

この質問は意外と奥が深くて、下手に小さな挫折経験を答えてしまうと、面接官によっては「そんな小さな失敗を挫折経験だと考えているのか(同時にそれだとストレス耐性が低そうだ)」と思われてしまう可能性があります。

そこで僕が就活生に伝えるようにしていることがあります。

それは「無理して挫折経験を“作る”必要はない」ということです。

特に就活生の場合は、これまで大きな挫折を経験した人の方が少数派だと思います。

僕の人生を振り返っても、大きな挫折をしたのは社会人になってからでした。それまでの人生を振り返ると、挫折経験と自信を持って語れるのは恋愛ぐらいです。

高校時代、告白した相手から「今は恋愛には興味がない」と言って振られたことがあるのですが、その翌週に彼氏ができていて、3日間食事ができなかったのは今では良い思い出です。

でもこんなこと、面接では言えません。

このようにそもそも9割以上の人は、大きな挫折経験をしていないのではないでしょうか。

小さな挫折経験を大きく見せようとする方がリスクがある

では挫折経験がない人は、どのように答えれば良いのでしょうか。

僕の考えは、まず正直に大きな挫折経験をしていないと伝えることです。

小さな挫折経験を大きく見せようとして、ストレス耐性が低いと判断されるよりも、「正直にお話すると大きな挫折経験はありません」と答えて、素直さや正直さをアピールする方が良い。

そして、その上で小さな挫折経験を答えた方が良いでしょう。

なぜ挫折経験がないのか自分なりに考え抜くこと

そのうえで、具体的におすすめの答え方が「なぜ挫折経験をしていないのか」を自分なりに考え抜くことです。

拙書『脇役さんの就活攻略書』では、僕のように大きな実績も上位大学でもない学生が評価される方法として、「自分の考えをふんだんに伝える」という戦略を紹介しています。

この挫折経験でもそれを実行するのです。

まず「なぜ自分には大きな挫折経験がないのか?」と考えます。

すると、「あれ?そもそも大きな挑戦もしたことがないのでは?」といった疑問が浮かぶ。

そして大きな挫折経験がある人はそもそも大きな挑戦をした人であって、自分はそうじゃないということが分かったりします。

こうした考えが生まれれば、それをエントリーシートや面接で使うことができます。

具体的には次のように答えることができますよね。

「正直に申し上げると、これまで大きな挫折経験はありません。なぜ挫折経験がないのか、就活を機に考えてみたのですが、理由は大きな挑戦をしていないからだと分かりました。大きな挑戦をしないことには大きな挫折もなければ、成長もありません。社会人になってからは、大きな挫折を恐れず、挑戦したいと考えております。」

ただ単に「大きな挫折経験はありません。(以上!)」という人よりも、このように会話を広げることができると、面接官も正直者だな、考えが深いな、という別のベクトルで評価してくれるんですよね。

今回の質問への回答方法を含めて、「自分は就活で語れることがないな..」という方でも評価される戦略を拙書『脇役さんの就活攻略書』解説しています。

みなさんの就活を、心から応援しています。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです