「苦手な教科はなんですか?」新卒就活ではこうした質問を面接官に聞かれることがあります。
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新卒 就活Photo: Adobe Stock

面接で苦手な教科を聞く目的

新卒就活の面接では、企業によって苦手な教科を聞いてくることがあります。

ですが、そもそもなぜ苦手な教科を聞くのでしょうか?

その目的は大きく2つあります。

・自己認識力(弱みの理解と受け止め方)を見るため
・業務適性や配属リスクを見極めるため

まず、苦手な教科を聞くことで、自己認識力があるか見たいと考えています。つまり自分の弱点も含めて、しっかりと自己理解ができているかどうか確認したいんですよね。

次に、苦手な教科を知ることで業務適性や配属リスクを見極める狙いがあります。例えば、分析作業が多い業務に、「数学が苦手です」という人を配属させてしまうとミスマッチが生じますよね。

他にも「国語が苦手」という人に、説明が多い営業職は向いていないかもという判断ができるようになります。

このように、苦手な教科を聞く目的は、自己理解ができているかの確認と、適性を判断するためなので、この質問は正直に答えることがポイントになります。

面接で苦手な教科を正直に答えるべき?

仮に、面接で苦手な教科について嘘をつくとどうなるのでしょうか?

一番は、入社後のミスマッチに繋がるという大きなリスクがあります。

そもそも就活は、「入ることがゴール」の受験とは違い、「入ってから」が本番です。むしろ「入ってからが始まり」であって、自分に合わない企業や仕事に就いてしまうと、すぐに辞めることになりかねません。

特に仕事は、自分が他人よりも少しでも得意なことをするから結果が生まれ、やりがいが生まれます。

0.01でも他人よりも得意であれば、それが1000日続いたら+10の差を生むことができますよね。反対に0.01でも他人よりも苦手なことを1000日続けたら、-10ですが、日を追うごとにそのマイナスは大きくなってしまいます。

よって、仕事は少しでも自分が得意なことをするべきなので、苦手な教科は正直に話すこと。

そして、それが理由で不採用になったのなら、その会社の仕事は自分に向いていない可能性が高いのです。

このような考えがあれば、「不採用=否定」ではなく、「不採用=適性が合わなかった」と認識できるようになります。

就活ではこの考え方が非常に重要です。

面接で苦手な教科を伝える方法

ここまでの内容を踏まえて、面接で苦手な教科を伝える方法を解説していきます。多くの就活に関する記事では、こんなことが書かれています。

「苦手な教科を伝えるだけでなく、その苦手を克服しようとする姿勢を見せよう」

例えば、数学が苦手なら、「数学が苦手だけど、それを克服するためにこういう努力をしています」という回答ですね。これは短所の答え方として、よく言われる話と似ています。短所は長所のように答えましょうと。

ですが、僕はこうした「無理くり苦手を隠そうとする姿勢」に反対です

そもそも苦手なものを克服することは筋が悪く、大事なことは得意を伸ばすことです。苦手は武器になりませんが、得意は武器になるんですよね。

よって、面接で苦手な教科を伝える方法としては、「苦手教科は◯◯です、理由は◯◯だからです」と簡潔に伝えることをおすすめします。

実際に僕は日本史などの社会が苦手でした。そして、なぜ苦手なのかと考えてみると、時系列で物事を覚えるのが苦手だったんですよね。

また人物名や年号を覚えるのも苦手でした。これをそのまま回答すると次のようになります。

「私が苦手な教科は、日本史や世界史です。なぜなら、時系列で出来事を覚えるのが苦手で、かつ人物名や年号を覚えるのも苦手だからです。」

回答はこれぐらい簡潔で大丈夫です。

無理に「でも人物を覚えるためにこんな努力をしてました」とか「年号を覚えるためにゴロ覚えを必死に」とケアしようとする必要はありません。